シャンプーで癌になる?

たまに「質の悪いシャンプーには発癌性が含まれている‼」と過激な主張をする人々がいます。

ほとんどの場合は新興化粧品メーカーか無知なキュレーションサイト発の意見になりますが、いつの時代も購買者の不安を煽る販売方法は無くなることがありません。

こういった販促方法は本当に関心しないので、今回はある程度ハッキリさせたいと思います。

シャンプーの何が発癌性に繋がり、どういった健康被害があるのかを紐解いていきます。

 

 

 

 

宣伝文句

以前も似たような記事を書きましたが、ほとんどの場合「発癌性物質を含むシャンプーは危険だから、ウチの〇〇フリーを使うと良い」という、単なる宣伝文句だと思います。

例えば、シャンプーに使われる石油系洗浄成分はタンパク変性の危険性があり、決して肌に良いものではありませんが経皮毒性はありません

しかも「明らかに人に害をなす濃度」で化粧品に使うことは絶対に無いので、化粧品の危険性=健康被害と考えるのはあまりにも度を越えて短絡的すぎるわけです。

 

ただし、石油系(ラウレス硫酸、ラウリル硫酸)やスルホン酸系(オレフィンスルホン酸)は刺激や洗浄性が非常にに強く、場合によっては痒みやフケの原因となり得ますのでご注意を。

いずれにせよ「人工界面活性剤や鉱物系や高級アルコール系(全て石油系と同義)は危険だから天然界面活性剤を使おう‼」というのは正しくないので、鵜呑みにするのは止めましょう。

 

また、未だに「シリコンが頭皮の毛穴に詰まる」を主張&信じる人が少なからずいますが、絶対に詰まりません

「シリコンは危険だからノンシリコンを使おう‼」系の販促にもご注意を。

 

ついでに言うと薬と毒の違いは「分量による差」によるものです。

ザックリと言えば、いかに優れた薬でも摂取量が多ければ毒となり、いかに危険な毒でも摂取量を減らすことで薬になるわけです。

このあたりの科学に対する認識の低さこそが、過激な主張のつけ入る隙になるわけですね。

当サイトでは繰り返し述べていますが、美容の世界は無知だと損をします

 

 

 

 

カチオン界面活性剤

以前も少し触れましたが、コンディショナーやトリートメントにはほぼ100%、シャンプーにもごく一部ですがカチオン界面活性剤が含まれ、こちらは皮膚刺激や皮膚疾患の原因になり得ます。

髪に直接つける分には何の問題もないですし、多少頭皮についたところで洗い流せば全く問題ありません。

 

しかし、最近は「クリームシャンプー」や「クレイシャンプー」と名乗ってコンディショナーを販売するメーカーが増えており、こちらは明確に健康被害の元になるとハッキリ言っておきます。

カチオン界面活性剤は逆性石けんとも呼ばれ刺激性や殺菌性があり、それを頭皮に塗ってシャンプー代わりに使うのは非常に危険です。

また一部のカチオン界面活性剤は脱毛クリームなどにも使われるので、髪の毛が抜ける原因にもなり得ます

繰り返しになりますが、使用する際は髪の毛にだけつけるようにしましょう。

 

 

 

 

タール系色素

現在は少数派だと思いますが、たまにシャンプーやコンディショナーに色素を混ぜるメーカーがあります。

かつてコールタールから作られたタール系色素は危険性が拭えず、現在は石油から作られるものに変わっています。

動物実験では直接体内に注入した場合に発癌性があるとされており、人が経口摂取しても危険性は無いと言われています。

 

しかし現在でも発癌性や遺伝子への影響(赤ちゃんに対しての影響)が懸念されており、積極的に使う理由は皆無でしょう。

ちなみに、現在は植物などから抽出した天然着色料が広く使われていますが、それも稀に(2004年のアカネ色素とか)発癌性や遺伝毒性が見つかったりすることもあります。

言い出したらキリが無い話ではありますが、基本的には(化粧品には)不要な成分なのであえて選ぶ必要はありません。

 

 

 

 

コカミドDEA

ここからが本題。

「シャンプーの発癌性」で調べると真っ先に出てくるのがこのコカミドDEA。

医薬部外品のシャンプーでは「ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド」と呼ばれます。

 

主にシャンプーの粘度調整や泡立ちの補助を目的に配合され、これ単体での洗浄性はほとんどありません。

他にもコカミドMEAやコカミドTEAなどがあり、基本的には同じような性質ですが、MEAが最も安全性が高いとされメーカーでは積極的に採用される傾向があります。

 

その発癌性ですが、相当な濃度のコカミドDEAと、相当な濃度の極一部の防腐剤(DMDMヒダントインや亜硝酸塩)を混ぜることで発生するのは間違いないようです。

しかしそんな高濃度で化粧品に配合することは絶対に無いと断言できますし、コカミドDEA単体での発癌性は証明されていません

かと言って「100%癌の可能性は無い」とも言えないのが難しいところですが、逆に代わりに配合する成分の発癌性は?と言われれば、やはりキリの無い話になってしまいます。

 

 

 

 

まとめ

以前に薬剤研究員の方に聞いた素朴な疑問がありました。

「ステーキの焦げた部分を食べると癌になるって本当ですか?」

答えは「毎日バケツ一杯分くらい食べれば、なるかもしれない」

化粧品やヘアケア用品における発癌性も恐らく似たような話だと思います。

 

そもそも発癌性を疑うのであれば、食品添加物や石油から作られるリップクリームやサプリメントはどうなんだ?ということになってしまいます。

日本人としては記憶に新しい放射能汚染も、放射線自体は岩石や土壌などの自然界にも存在しています。

つまり、確かにシャンプーに使われる成分が(特定の条件で)発癌性があったとしても、それ以外にも発癌性が危惧されるものに触れて我々は生活をしているということ。

 

そういったものが積もり積もって発症する病気があるのは確かにそうでしょう。

しかし、シャンプーで癌になったという因果関係を示すデータは一切ありませんし、余程無茶な使い方をしなければ大きな健康被害を起こすこともありません。

また、化粧品成分と病気の因果関係を調べるのは科学研究機関、製薬会社、化学薬品メーカーであり、いち化粧品メーカーが「○○は危険、○○は安全」と断定できるわけもありません。

重箱の隅をつつくような話を鵜呑みにして、担保されていない「安心・安全」に安易に手を出すことの方が無駄じゃないかなと思います。

 

 

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