「シャンプーよりもコンディショナーの方が減りが早い」という意見を頂くことがあります。
毛量や長さによるので一概には言えませんが、そもそも「使い方がおかしい」ことが少なからずあります。
髪に潤いや潤滑性を与えるコンディショナーですが、一歩間違えると肌に対しデメリットを与える存在になってしまいます。
良い機会なのでリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアマスクの説明と共に、正しく効果的な使い方を伝授しようと思います。
【分類】
まず最初に断っておくと、リンス・コンディショナー・トリートメント・ヘアマスクには明確な判定基準はありません。
よって各メーカーの判断により「これはリンス、これはトリートメント」となるわけです。
ただし分類の傾向はありますので、以下はあくまで一般的なイメージに沿って説明しています。
■リンス・コンディショナー
髪の表面をコーティング剤や油分で覆い、主にキューティクルの保護を目的に使われます。
髪の絡まりを防いだり、静電気を防いだり、基本的には毎日使うものだと思って良いでしょう。
「リンス」と「コンディショナー」に関しては同じものだと思ってください。
メーカー毎に多少の差はあると思いますが、要は髪をコーティングするものは全てリンスかコンディショナーだと言えます。
■トリートメント
リンスやコンディショナーとは異なり、主に髪の内部へ浸透する成分を含むもの。
髪の弾力を向上させる補修成分だったり、潤いを保つ保湿成分だったり、良く使われるフレーズは「髪に栄養を届ける」的なもの。
その上で髪の表面にコーティングを施すものが多いです。
髪の内部への浸透が目的なので、塗った後に放置時間を求める商品が多いのが特徴。
場合によっては髪が重くなったり、ゴワついたり、逆に絡むようになったり、乾かなくなったりの原因となりやすい。
■ヘアマスク
いわゆる「集中ケアトリートメント」もこれに含まれ、週1回程度の使用を推奨するものが多い。
基本的にはトリートメントと同じく内部補修と外部補修の両方を担うが、トリートメントよりもコーティング力が強い傾向がある。
よって頻繁に使ったり髪質に合わなかったりするとより顕著に重くなる、ゴワつく、絡まる、乾かない、の原因となりやすい。
【使い方】
あらゆる商品には『使用方法』というものが表記してあり、それに沿って使う分には大きな問題にはならないでしょう。
問題なのは、ほとんどの人がそれを読まないこと。
大抵の場合は同じことしか書いてないと思いますが、商品によっては細かく使い方を記しているメーカーもあります。
自己流は上手くいかないことが多いので、きちんと指示に従いましょう。
使い方の最大のポイントですが、まず大切なのは髪にだけつけること。
コンディショナーやトリートメントは主にカチオン界面活性剤で作られており、これは肌にデメリットをもたらす成分でもあります。
もっと具体的に知りたい方はコチラ。
髪に対しては非常に有用ではありますが、肌に付着すると流しても落ちにくく、強い殺菌性があることが多いので肌の痒みや炎症の原因になり得ます。
推奨としては、種類に限らず『耳辺りから下』
基本的には中間~毛先のみで十分ですので、毛先からつけ始めて徐々に上っていくのが良いと思います。
そして種類にもよりますが、つけ終わった後はコーミング。
できればブラシタイプが好ましいですが、目の粗いコームでも十分です。
手ぐしだけでは髪の隅々まで行き渡らせるのが難しく、成分の浸透に余計な時間がかかってしまいます。
また「ホットタオルで巻くと良い」という意見もありますが、現在流通するトリートメントの大半は分子が細かいので、そこまでしなくても十分に浸透します。
どちらかと言えば放置時間の方が重要で、最低1~2分、可能であれば5分程度置いてあげると仕上がりにかなりの差が出ます。
よく聞かれる疑問として「どれくらい流せば良いのか?」についてですが、各商品ごとにコーティング力に差があり、一概に断じるのは少々難しいところ。
基本的には『ぬめりが落ちるまで』は流して欲しいところ。
あまりにもヌルつきがあるようでは、ドライ時に余計な時間がかかるようになります。。
また、逆に流しが甘い状態で背中にトリートメントが付いた場合は肌荒れの原因になります。
【まとめ】
特に髪のダメージを気にする方は塗布量が多くなる傾向があり、ベタベタにつけたトリートメントが十分に流せておらずにベタついた仕上がりになることが多いと思います。
またサロンで行うシステムトリートメントも同じで、未熟な美容師が使えば逆に髪を傷める原因にもなり得ます。
何事もそうですが『適量』というものがあり、たくさん使ったから効果が上がるわけではありません。
いきなり髪が傷むことが無いように、いきなり髪が綺麗になることもありません。
普段からのダメージ予防も含め、毎日のケアが大切だということです。
品質を学び、使い方を学べばセルフケアでできることは満点です。
どれだけ優れた商品でも、使い方を誤れば効果は半減します。
品質にこだわるのと同じくらい使い方も大切だと覚えましょう。