香水シャンプー

どの業界にも”流行”というものがあり、化粧品もまたトレンドにより売り上げが左右する世界です。

「オーガニック」

「ボタニカル」

「アミノ酸系」

「クリームシャンプー」

「髪質改善」

などなど、これらは一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

 

そんなヘアケアトレンドですが、最近じわじわと伸びているのが「香水シャンプー」

読んで字の如し、良い香りをアピールする商品ですね。

以前も一度香料について書いたことがありましたが、今回はもう少し踏み込んだ内容を紐解いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

【両立できない】

 

まず、香料には『天然香料』と『合成香料』があります。

実は、どちらも大まかに言えば天然由来になり、実際の線引きは若干曖昧な部分があったりします。

精油(エッセンシャルオイル)は基本的にコストが高く、純粋に精油だけで香りを作ると販売価格も高騰します。

ですので、お手軽に買える商品価格帯では基本的に全て混合香料(天然&合成のブレンド)だと思って間違いありません。

 

香りは、それだけで商品の売り上げを左右すると言っても過言ではないほどに重要な要素です。

当然ですが、各社ともに非常に神経を使う部分でもあります。

 

しかし、難しいのが「シャンプーの性能と香り」は基本的に相反する要素であるということ。

具体的に言うと、髪質を改善(補修・保湿・潤滑性の向上)させる成分は、基本的に独特な香りがあるということです。

特にアミノ酸系やPPT系は元がタンパク質だけに独特な生臭さがあり、ベースとなる界面活性剤だけを匂うとお世辞にも良い香りとは言えません。

 

実際に「こういう香りを作る」とイメージしても、基材と混ざることで大幅に異なる香りへと変化するのはよくある話。

狙った香りを忠実に再現するのは、専門の調香師ですら非常に難易度が高いものなのです。

なので成分表示を見れば分かることですが「香りの質に重きを置く商品では、あまり補修性の高いヘアケアが作れない」ということになります。

 

硬水でもしっかり泡立つように作られた海外メーカーのものは顕著にそれが現れます。

ベースが硫酸系orスルホン酸系になることが非常に多く、日本の水質や日本人の肌質では過剰な洗浄力になるケースが多く見られるんですね。

特に、香水文化の発達しているヨーロッパなどはヘアケア意識の低さもあり、特に香りの方に重きを置く傾向があります。

ヨーロッパの美意識は基本的に『雰囲気勝負』なので、モノの機能性よりも雰囲気とかラグジュアリー加減を中心にマーケティングが行われます。

なので「凄いオシャレで良さそう」に見えて、実際中身は大したものではないのは良くある話。

 

とにかく、ヘアケアの基本となる『補修』と、万人受けする『香り』の両立は極めて難しいものなのです。

 

 

 

 

 

 

【ほどほどに】

実際に大手メーカーでは、お抱えの調香師が数年の歳月をかけて良い香りの調合を作ることもあります。

しかし、我々のような小規模なメーカーでは中々そこまでの再現性を得ることは難しいのが現状です。

端的に言えば、香りに関しては我々のような小規模メーカーでは「絶対に大手に勝てない大きな壁」と言っても良いでしょう。

 

やや乱暴ですが「髪をケアする」と「良い香りに癒される」のどちらを基準に商品を選ぶか、ということでもあります。

この2つを両立させる商品を探すのは、非常に難しいものだと思います。

 

とはいえ、あくまで香りの趣味は個人の趣味趣向による部分が大きいもの。

誰かが「微妙」と感じても他の誰かは「超いい香り」と感じることも少なくないでしょう。

そういう意味ではあくまで「両立が難しい」というだけで、決して不可能なわけでもありません。

 

ただし昨今の傾向を見ると「香料ビジネス」が加熱していることもあり、単純に香料の配合量が増えて香りが「強め」になっています。

中には濃度の高い香料に対するアレルギーを持つ方もいらっしゃいますし、そうでなくても具合が悪くなってしまう方もいます。

 

香りや匂いというものはある程度慣れてしまうものなので、使い続けるうちに物足りなくなっていまうことがあります。

しかし身近な人がどう感じるかは別の話。

最近は衣料用洗剤や柔軟剤等も香りをウリにする商品も増えていますし、全部が混ざるとちょっとくどいような気がしませんか?

 

あくまで「ほどほど」に香る程度に抑えておくべきものだとも思います。

 

 

 

 

 

 

【まとめ】

ヘアケアもスキンケアも「せっかくだから、良い香りの化粧品を使って気分を上げたい」という気持ちも理解できます。

 

しかしSKⅡの特許成分である「ピテラ(独特な乳酸菌の香り)」を代表するように、有効な成分は必ずしも良い香りではありません

むしろ『微妙な香り=有効成分の濃度が高い』という例も少なくないので、そういった観点で商品の性能を確かめるのも間違いではありません。

 

先述したように髪のケアも肌のケアも、何に重きを置くかで商品の価値は変わります。

あくまで個人的な意見ではありますが、香りの質を真っ先に挙げる商品がヘアケアやスキンケアに有用だとは思えません。

むしろ良い香りに癒されたいのであれば「入浴剤や本物の香水を使った方が良いのでは?」というのが本音です。

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