ヘアオイルについて②

前回はコチラ

「シリコンオイルと天然オイル」という視点でオイルの選び方を書きましたが、今回はもう一段階踏み込んで「オイルの内容」について触れたいと思います。

 

色々なアウトバストリートメントがありますが「ヘアオイルなんてどれも同じ」と考える方は少なくないようです。

それに対し、品質の差を明確に説明できる人も少なく「一体どこに差があるのか」という点が本当に分かりづらくなっているわけですね。

 

むしろ、敢えて分かりにくくしているような節も感じられますし、イメージやボトルデザインで売り出すメーカーサイドとしてはあまり突っ込んでもらいたくない部分だとも思います。

ですので今回はオイルの内容と、それに伴う作り手の狙いを紐解いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

【プラスアルファ】

アウトバスオイルというのは基本的にオイルです。

当たり前の話ではありますが、注意して欲しいのが「オイルだけ」と「オイル+α」に分かれるということ。

 

「サラサラにしたいならシリコーンオイル」「しっとりさせたいなら天然オイル」と、どちらも髪をコーティングするという前提で成り立っています。

シリコーンオイルで髪の摩擦を減らすのか、天然オイルで保湿して広がりを抑えるのか、いずれにしても「髪の表面で作用する効果」ということです。

 

どちらかと言えばダメージの予防という意味合いが強く、いくらつけたところで根本的なダメージケアにはなり得ません

何せ油ですからね、洗えば落ちます。

 

特に天然オイルをウリにする商品はテクスチャー(感触や重さ)と香りが全てと言っても過言ではありません。

メーカー側も髪に対する効果より使い心地と良い香りを追い求める傾向が非常に強いです。

もちろん使い心地も良い香りも非常に大切な要素ではありますが、こと「髪の補修」に関しては直接的に関係ないことは分かると思います。

 

 

 

 

 

 

【フィニッシングオイル】

 

で、ここからが本題ですが、アウトバスオイルの中には補修成分や保湿成分が配合されているものがあります。

つまり髪の表面だけで作用する一般的なオイルトリートメントではなく、内部へと浸透するように作られたオイルということ。

何を配合するかはメーカーにより個性がありますが、髪の弾力強化や熱ダメージの保護、しなやかさの付与など従来品とは一線を画す効果が期待できます。

 

一般的に、添加物が配合されるのはシリコーンオイルの方です。

シリコーンオイルに天然オイルを混ぜることはありますが、天然オイルにシリコーンオイルを混ぜることは基本的にありません。

 

というより「シリコーンオイル(主に揮発性シリコーンやアルコール類)じゃないと補修成分が混ざらない」と言った方が分かりやすいでしょうか。

つまり天然オイル系は全て「植物種子油などのオイルをブレンドするだけ」ということになるわけで。

どれだけ効果・効能をアピールしようと「髪の水分の蒸発を防ぐ以上にはなり得ない」ということになります。

 

 

ついでに言うと天然オイルは主に種子オイルが主流になりますが、基本的にテクスチャーは重めになります。

種類や製法、ブレンド比率に左右されますが基本的に重ため、サラサラよりもしっとりさせる目的で使うものだと思ってください。

 

稀に天然オイルだけの処方でもサラサラをウリにする商品が見受けられますが、恐らくサラサラにはなりません。

この特性ゆえに当ショップでは天然オイル=フィニッシング(スタイリング)オイルと位置づけ、ドライ後の保湿や艶出し、まとまりを目的に使うものだと定義しています。

 

 

 

 

 

【ケアオイル】

ようやくケアオイルの話に入ります。

前述したようにシリコーンオイルに補修成分を配合したものを、当ショップでは「ケアオイル」と定義しています。

簡単に言えば、お風呂上りのドライ前に使うのがケアオイルで、ドライ後のスタイリング剤のように使うのが先述したフィニッシングオイル。

従来のシリコーンオイルのように髪の摩擦を軽減しサラサラにするだけでも効果的ではありますが、そこをもう一つ踏み込んだ効果が期待できます。

 

成分自体は非常に多いので代表的な成分だけの紹介になりますが、

◆ラクトン(メドウフォーム-δ-ラクトン、γ-ドコサラクトン)
→髪の強化、熱ダメージの保護

◆ケラチン(羽毛・羊毛)
→髪の弾性強化、保湿

◆クロスポリマー
→主にシルク由来で熱に反応、均一なコーティングでサラサラ

◆ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(ペリセア)
→保湿、浸透補助

◆ヘマチン
→髪の強化、褪色防止

◆セラミド
→保湿

◆ヒドロキシプロピルキトサン
→ダメージ部に吸着、サラサラ

◆ポリクオタニウム-51、61、64、65(リピジュア)
→保湿、持続性が高い

◆加水分解ウールキューティクルタンパク
→保湿、キューティクルの保護

などなど、天然オイルのみの処方と比べより内部補修に特化していくのが分かると思います。

 

念のために言っておきますがシリコーンオイルと天然オイル、どちらが良い悪いの話ではありません。

髪の補修やサラサラ質感を求めるのであればこういった補修成分を配合したシリコーンオイルを。

パサつきや広がりを抑える、もしくは軽めなスタイリング剤が欲しい場合は天然オイルを。

こういった具合で用途に沿って商品を選ぶことが大切です。

 

 

 

 

【まとめ】

昨今のオーガニック&ボタニカルブームにより「髪にどういった効果を」よりも「安心・安全の天然由来」が席捲するようになりました。

そして、いつしかヘアケア効果よりも素材を重視するマーケティングが横行するようになりました。

 

当ブログでは何度も言っていますが「天然由来=安心・安全」という意味ではありません。

天然由来だから髪がツヤツヤになるわけでもありません。
(むしろ科学的に不純物を除いた人工素材の方が安全性が高いこともザラにあります)

 

化粧品メーカーもビジネスなので悪いとは言いませんが、ヘアケア商品なのに髪に対するケアを深堀りしないのは個人的には解せない不思議な話でもあります。

髪に限らず、化粧品は「何を目的に」「どんな効果をもたらすか」で判断しましょう。

また「どの成分が効果的なのか」を知ることが、本当の美容の第一歩です。

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