育毛について

前回は頭皮環境について書きましたが、今回は本格的な育毛のお話。

近年は消費者の意識の上昇もあり、シャンプーやトリートメントに関する意識も以前と比べ良くなっています。

その一方でスカルプケアや育毛に関しては複雑なメカニズムもあり、あまり詳しく調べる方は少ないと思います。

今回はシャンプーやトリートメント、育毛剤について触れたいと思います。

 

 

 

そもそも育毛効果とは

主に抜け毛や薄毛の予防、髪の毛の成長の促進を目的に配合されます。

どの商品も基本的には「※効果には個人差があります」の一言で済んでしまうため、微妙に信憑性に欠けることも多いのではないでしょうか。

 

業界の話をすると「育毛」や「抜け毛予防」の表現規制が緩いのに対して「発毛」はやたらと厳しい線引きがあり、過去に発毛を謳って行政指導を受けたメーカーは結構多かったりします。

「発毛」の文言が問題というよりは添付したイメージ写真や表現方法に問題があるものではありますが、いずれにせよ薄毛に悩む方からすればかなり繊細な問題だと言って良いでしょう。

 

そして育毛に関する成分ですが、大まかに分けると

①発毛を促す成分
②育毛に繋がる成分
③抜け毛を予防する成分
④頭皮環境を改善する成分

の4つに分かれます。

特に①~③の効果は似て非なるものであり、一言で「育毛」と言っても目的に沿った商品選びが大切なのは見て分かると思います。

実際には、明確に効果・効能を区分けするのは少々難しいのですが、ざっくりと分けてみました。

ではそれぞれを紐解いていきましょう。

 

 

 

 

発毛を促す成分

髪の毛は毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで伸びていきます。

その毛母細胞は血管を通じて得る栄養を元に髪を成長させるので、シンプルに「血行の促進」と「毛母細胞の活性化」が必要となります。

特に毛母細胞の働きは加齢と共に鈍くなるため、毛母細胞の活性化が最も重要な要素となります。

以下は代表的な発毛促進成分です。

・センブリエキス
・ニンジンエキス
・パントテニルエチルエーテル
・トコフェロール酢酸エステル
・ニコチン酸アミド
・ピロクトンオラミン
・ミノキシジル
・ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド
・ナイアシンアミド
・アセチルデカペプチド-3
・L-アルギニン
・ステキモシジン
・ペンタデカン酸グリセリド
・6-ベンジルアミノプリン
・ツバメの巣エキス
・ヒトオリゴペプチド-21(IGF)

 

 

 

育毛促進成分

発毛促進成分とは異なり、発毛を促す効果は無いが育毛を促進する効果が見込める成分を指します。

発毛と育毛は近い概念ではありますが、これらが混合している情報もあるので注意が必要です。

こちらも毛母細胞を活性化させるために頭皮の毛細血管を広げ、血行を促進するのが主な目的となります。

以下、代表的な育毛促進の成分です。

・アデノシン
・T-フラバノン
・サイトプリン
・サイトカイン
・塩化カルプロニウム
・亜鉛(塩化亜鉛)
・イチョウ葉エキス
・エピネエキス
・オランダカラシエキス
・ショウブ根エキス
・トウガラシエキス
・ニンニクエキス
・セファランチン
・センキュウエキス
・ヒキオコシ葉/茎エキス
・ミレットエキス
・メチオニン

 

 

 

 

抜け毛予防成分

色々と原因はありますが、脱毛はジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの増加が主な原因となります。

逆に言えばDHTを抑制することが抜け毛予防に有効であり、抜け毛を予防する意味ではDHTを抑制する成分が大半となりますが、頭皮の保湿や抗炎症成分も含まれます。

また老化の原因となる活性酸素を抑制する成分(抗酸化成分や抗老化成分)もここに含まれます。

以下は代表的な抜け毛予防の成分です。

・T-フラバノン
・エチニルエストラジオール
・フィナステリド
・デュタステリド
・アセチルテトラペプチド-3
・冬虫夏草エキス
・ノコギリヤシ
・ヒオウギエキス
・アスコルビン酸
・ピリドキシンHCl
・アセチルグルコサミン
・エラスチン
・フコイダン
・ゴボウエキス
・コメヌカエキス
・水溶性プロテオグリカン
・イオウ
・カミツレ花エキス
・グリチルリチン酸2K
・カキタンニン
・L-システイン
・トコフェロール
・トリペプチド-1銅
・モモ葉エキス
・ローズマリーエキス

 

 

まとめ

かなり大雑把なカテゴライズではありますが、育毛剤やスカルプケアを考える上で多少の参考にはなると思います。

ここで挙げたのは全育毛成分の半分程度であり、実際にはもっと多くの成分が存在し、また処方により効果も変わってくるものであることは留意してください。

 

また「天然由来成分」「植物エキス」「化合物」と、どれも肌に対するリスクは変わらず、育毛剤のように塗りっぱなしにする前提の商品はアレルギーや皮膚異常の原因にはなり得ます。

基本的にはどれも大きな害ではありませんが、使う人の体の(肌の)許容量を超えれば何かしらの異常を招く可能性があります。

美容業界の「天然由来だから安心・安全」というのはあくまで宣伝広告のための文言であり、鵜呑みにするのは良いことではありません。

 

ちなみに育毛剤は男性用・女性用で処方が変わることが多く、注意が必要です。

男女兼用のものも少なからずありますが、個人的にも男性と女性ではホルモンの量も異なるので分けて考えるべきだと考えております。

ハッキリと「〇〇が効く!」とまで言い切れない育毛事情ではありますが、何事も予防が大切。

発毛を目指すのか、育毛を目指すのか、脱毛を防ぐのか、用途に合わせて正確に使うことが大切だと思います。

 

 

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