男性はもちろんのこと、近年は女性も悩むことが増えた育毛のお話。
「頭皮環境改善」
「脱毛防止」
「育毛促進」
と様々なアプローチが掲げられていますが、実際に何が育毛や頭皮環境の改善に繋がるのかを正確に知っている人は多くはないでしょう。
今回はどういった意識が脱毛防止に繋がり、どういったものが育毛や頭皮環境改善になるのかを説明したいと思います。
【頭皮環境の悪化】
まずは頭皮環境についてですが、健康な頭皮とは
①健やかにターンオーバーが繰り返され、肌の代謝が正常に行われている
②過剰な皮脂が分泌されず、もしくは過度な乾燥状態でなく、清潔な状態で皮膚内にいる常在菌バランスが整っている
③血行が良く、摂取した栄養素が隅々までいきわたり、毛母細胞の働きが活性化している
ざっくりとこんな感じでしょうか。
そんな頭皮環境を悪化させる原因は主に5つ
①心的ストレスや身体ストレスによる緊張状態
ストレスを感じるとコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、長期に渡り分泌された場合は血管の収縮や脳の萎縮を引き起こします。
コルチゾールは免疫や中枢神経にも作用するので、自律神経を乱し血液の循環機能が低下するため、頭皮への酸素や栄養が届きづらくなってしまいます。
②ホルモンバランスの乱れ
女性の場合は生理、妊娠や出産、加齢によるホルモン分泌量の低下などによりホルモンバランスが乱れます。
ちなみに男性もテストステロン(男性ホルモン)の低下により女性と同じく更年期障害のような症状があり、女性に比べ長期化しやすいと言われています。
いずれにせよエストロゲン(女性ホルモン)の低下、もしくはプロゲステロン(別の女性ホルモン)の増加により皮脂分泌が過剰になり、頭皮環境が悪化しやすくなります。
③紫外線ダメージ
紫外線は頭皮を傷つけ、乾燥や炎症、もしくは皮脂の酸化などを招き頭皮環境が悪化します。
頭皮は顔に比べ2倍以上の紫外線を受けると言われており、長期間晒されることで毛根が収縮し脱毛や細毛の原因となります。
また、紫外線は髪に対しても影響があり、カラーの褪色や乾燥の原因になります。
④食生活
脂質や糖質、アルコールなどを過度に摂取することで皮脂は過剰に分泌されるようになります。
また偏った食事や栄養素の不足などは髪の成長を阻害し、頭皮や髪に対しても栄養不足の原因になります。
ちなみに髪の毛はタンパク質で組成され、育毛に必要な栄養素は主にタンパク質、亜鉛、ビタミンの3つになります。
⑤間違ったスカルプケア
洗浄性の強すぎるシャンプーや、コンディショナーやトリートメントの間違った使い方、過度なドライヤーなどが該当します。
皮脂を過剰に洗い流すと乾燥の原因となり、乾燥により硬化した頭皮は毛穴にはマイナスになってしまいます。
逆に洗浄性が弱すぎると残った皮脂の酸化により雑菌の繁殖を招き、匂いや痒み、炎症の原因となります。
以上が代表的な頭皮環境悪化の原因となりますが、その解決法はどうすれば良いのでしょうか?
【正しい頭皮ケア】
①ストレス
これに関しては正直何とも言えません。
というかストレスの解消法を見つけるか、ストレスになり得るものから離れるか、そのどちらかになるのではないでしょうか。
余談ですが、毛根から髪の毛が成長し頭皮から出てくるまで、およそ2カ月程度かかります。
つまり発毛にしても脱毛にしても、ある日突然始まるわけではなく2カ月前にすでに始まっているということになります。
逆に言えば、今現在起こっている髪のトラブルはおよそ2カ月前の何かが原因だとも言えます。
2カ月前の何が大きなストレスになったのか、その糸口にはなるかもしれません。
(※直接的な根拠はありませんので、あくまで目安としてお考え下さい)
②ホルモンバランス
主に女性の話になりますが、ホルモンバランスの乱れは頭皮環境以上に女性の体調に影響します。
一般論ではありますが、まずは十分な睡眠、リラックスできる時間、バランスの良い食事、そして適度な運動。
最も基本にして王道な考え方ではありますが、やはりこういった生活習慣を正すことが最も効果的なものだと思われます。
あとは低用量のピルの服用等も考えられますが、こちらはやや賛否が分かれるものですので、医者に相談の上で試した方が良いでしょう。
③紫外線
こちらは単純明快。
帽子をかぶる、日焼け止め効果のあるスプレーやアウトバストリートメントを使う、この2つでしょう。
男性の場合でも頭皮に対して保湿性を含むトニックやオイルの塗布など、過度な乾燥を防ぐことが重要になります。
また、ビタミンCは紫外線による肌ダメージを改善する効果があるので積極的に摂取するのも良いでしょう。
ちなみに紫外線照射量が最も強いのは5月~7月にかけて、日中では10時~14時頃が最も強いとされています。
④食生活
先ほども言いましたが、髪に良いとされる栄養分は「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」の3つです。
必須アミノ酸のひとつであるメチオニンはケラチンの素となる成分です。
具体的には豚肉、鶏むね肉、マグロ赤身やカツオ、牛乳やチーズや卵、納豆やナッツ類などに含まれます。
亜鉛は牡蠣、スルメ、レバー、チーズや卵、納豆やえんどう豆に豊富の含まれますが、過剰に摂取すると腹痛や吐き気、眩暈などを誘発しますのでほどほどに。
ビタミンは主にビタミンAとEが血行促進に働きかけ、ビタミンBは育毛効果に繋がると言われています。
ビタミンAはレバー、卵、ほうれん草、にんじん、うなぎなど。
ビタミンEはアーモンド等のナッツ類、かぼちゃ、ほうれん草、すじこやツナ缶など。
ビタミンBは豚肉、レバー、鶏ささみ、サバ、カツオ、ごまなど。
要はバランスの良い食事ということです。
ある程度気を使った食事を心がければ極端に栄養が偏ることは無いでしょう。
⑤間違ったスカルプケア
先に言っておくと、健康な頭皮の目安として
・頭皮の色が青白い
・額と比べて柔らかく、指先で動かせる
というものがあります。
逆に、
・頭皮の色が赤く(茶色く)なっている
・頭皮が額と比べて著しく固く、指先では動かない
となると、それは頭皮環境が良くないサインにもなります。
また、
・熱めなお湯で洗う
・1日に何回もシャンプーする
・力任せに頭皮をマッサージする
のは良くない習慣ですので、今すぐやめましょう。
頭皮は一般的に考えられているよりも遥かにデリケートなものであり、優しく対処してあげることが大切になります。
・お湯の温度は38℃が推奨温度(ぬるいくらい)
・1度のシャンプーで2シャンは良いが、できればシャンプーは1日1回
・指の腹でゆっくり優しくマッサージをして、頭皮の血行を促す
のが正解です。
あと意外と多いのがシャンプーのすすぎ不足で、洗い流しが不十分だと頭皮環境には大きくマイナスになるので、しっかりと洗い流してあげましょう。
またお風呂上がりの放置も結構多く、なるべく早く乾かしてあげないと雑菌の繁殖を招きますので注意しましょう。
【まとめ】
長くなるので今回はここまで。
非常に基礎的なことですし「そんなん知ってるよ」という方も多いでしょう。
しかしそれらを実践するとなると話は別で、フェイシャルケアと同じくらいスカルプケアに気を使う方は少ないものです。
非常にシンプルで、決して難しいことではありません。
次回は育毛成分について触れたいと思います。