エキスについて

あらゆる化粧品やヘアケア用品、また医薬品や漢方にも使われるエキスのお話。

高単価な化粧品類や天然由来を売りにする系の化粧品類によく使われるエキスですが、実際のその内容を知る人は多くありません。

そもそもエキスとは何なのか?

どういったメリットやデメリットがあるのか?

そういった点を紐解いていきたいと思います。

 

 

植物エキスとは?

すごく簡単に言うと、一般的には植物に含まれる成分を抽出し、溶剤(エタノールやBG)に溶かしたものを指します。

広義的な意味合いでは、サトウキビやオリーブから採れるスクワランや、植物種子から採れるオイル類などもエキスと呼んでも良いのかもしれません。

極めて種類が多いのでその効用も多岐に渡りますが、基本的には抗菌、抗酸化、消臭、美白、血行促進と、このあたりが一般的な効果となります。

火傷をしたらアロエの葉が有効なように、植物が持つ力は人の肌を健康にする上で有用なものです。

 

ちなみにですが植物には芳香物質も含まれ、この芳香物質のみを抽出したものが精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれ、香料やアロマテラピー等に使われています。

ただし、植物重量の0.1%程度しか抽出されないため非常に希少価値が高く、ものによっては極めて高額な価格になることも多いです。

 

 

 

大切なのは濃度

肌を健康に保つ上で非常に有効に思える植物エキスですが、基本的に溶剤に溶かすこと(一部例外もあり)で作られるため、化粧品原料としてのエキスは濃度が低くなりがちです。
(平均として、化粧品原料の時点で全体の1~2%程度)

あらゆる化粧品は基本的に水かアルコールを溶媒とするため、そのベース剤に混ぜる形で商品の処方を決めていくわけですが、当然混ぜられる量には限度があります。

そして、実際にその効果を見込めるようにするための”濃度”があり、これを実効濃度と呼びます。

 

いかに多くの種類のエキスを使おうと、この実効濃度に達していない成分の効果は限りなく疑わしいのが現状です。

全く効果が無いとまでは言いませんが、例えば全体の3%の濃度で効果が見込めるエキスを0.1%配合したところで、その効果がどれくらい薄まるのかは想像に難くないと思います。

 

ついでに言えば花やお茶を蒸留して作られる”花水”や”茶液”をベースに作られる化粧品もありますが、実際は限りなく”水”です

無いよりかはマシなのかもしれませんが、やはり大きく効果を見込めるようなものではないと考えるのが妥当だと思います。

 

どのメーカーのエキス原料にしても、それぞれのエキス類の効果に大きな誇張は無いと言っても良いでしょう。

実際に漢方薬として医療的な効果が実証されている成分も非常に多く存在します。

問題なのは使い方であり、化粧品に含まれる成分としてきちんと効果を実感できるかどうかは濃度次第と言っても過言ではありません。

 

 

 

原液では

最近ではプラセンタやヘマチンなどを極端に高濃度で配合する”原液ビジネス”が盛んになっているようです。

上記の成分とは異なり、添加物や溶媒を極端に減らすために有効成分が働きやすい特徴があります。

が、濃度が高い=アレルギーになる可能性も高い、ということになるため、安全性という意味では微妙なラインだと思います。

 

さらに化粧品原料は基本的に特徴的な匂いがあるものが多く、端的に言えば「臭い」ものが結構あったりします。

以前香料についてお話しましたが、香料=精油は純度が高い故に皮膚刺激やアレルギーの原因になり得ます。

せっかく優秀な成分を高濃度で配合したとしても、匂いを誤魔化すために香料の分量を増やすようでは意味が無いと言えるわけですね。

逆に言えば「実効濃度を確保しつつ、さらに香料の分量を減らした上で良い香りになる商品」を作るのが製造元の腕の見せ所だとも言えますが。

 

 

 

まとめ

使い方次第では非常に有用な植物エキス類ですが、有効になり得る濃度で処方された商品はそう多くはありません。

実際に商品の配合濃度を正確に把握する術はありませんが、エキスの種類を売りにする商品の処方濃度は限りなく疑わしいようにも思います。

商品に対する高級感や安心感やイメージ、要はマーケティングをする上で極めて便利な”エキス”ですが、それをそのまま鵜呑みにしないように気を付けましょう。

 

化粧品原料は決して安いものではありません。

本当に優秀な商品を作るには莫大な予算がかかります。

その前提を鑑みて、宣伝広告に予算を割く商品は本当に誠実なものなのか?

そういった視点で考えてみるのも大切だと思います。

 

 

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