「白髪染めシャンプーは染まりますか?」
「ヘアカラーを続けるより髪に優しいですか?」
というお問い合わせを頂きましたのでお答えします。
カラー需要
まず先に客観的な情報ですが、2015年以降ではヘアサロンでのカラー需要は伸びており、セルフカラーの消費量は微減が続いています。
これらは各サロンのカラー価格の低下や、白髪に対する美意識の変化でのカラー需要の増進、さらに従来の白髪染めからデザインを意識した白髪染めが増えたことによるものだと思われます。
ただし2020年以降はコロナ下での巣ごもり需要により、再びセルフカラーの売り上げが伸びているようです。
カラーシャンプーやカラートリートメントの売り上げも伸び続けているようですが、これは主にブリーチをした層がカラーの色持ちを伸ばすために購入している結果ですね。
特にブリーチ毛の黄色味を抑える紫シャンプーや紫トリートメントを中心に、お手軽にビビッドな色味を再現できる商品は近年増え続けています。
白髪染めシャンプー
メーカーを問わず、ネットショップや口コミサイトなどでは大体が売り上げ1位を獲得している白髪染めシャンプー。
本当にそうなら白髪染めをする人は激減するはずですし、コンビニや薬局のセルフカラー剤も激減しているはずですが、実際にそのようなことはありません。
(出典:ホットペッパービューティーアカデミー)
実際に統計を見ると、白髪染めシャンプーやトリートメントを使用する方は消費者全体の1割程度ということが分かりますね。
雑誌やネットの広告では「誰もが使っている」ような印象を受けますが、実際の使用者の数を考えれば若干盛って宣伝しているように感じます。
カラーシャンプー
白髪染めシャンプー自体も大まかに「髪に色をつけるタイプ」と「白髪を予防するタイプ」に分かれるようです。
まずは白髪に色をつけるタイプで、これはカラーシャンプーの一種と言えます。
そもそも、白髪染めシャンプーやトリートメントは”少しだけ白髪を目立ちづらくする”程度のものであり”白髪を染める”というニュアンスとは少々異なります。
先述したようなカラーシャンプーにしろ白髪染めシャンプーにしろ、構造は大体同じでHC染料というものが使われます。
(実際には塩基性カラーと混ぜたりしますが、難しいので省略)
HC染料は髪に負担をかけずに着色をすることが可能ですが、ヘアカラーと違って留まる力が弱いので簡単に流出します。
ブリーチしたようなハイトーンカラーは染めたカラーが流出しやすいので、少しでも色持ちを良くするためにカラーシャンプーやトリートメントは非常に有効なものではあります。
簡単に言うと「カラー後の褪色を防ぐには有用だけど、白髪染めとして使うには役不足」ということですね。
あくまで「気持ちうっすら染まっている感があれば良い」というのであればアリだとは思います。
クリームシャンプー
以前にもクリームタイプのシャンプーの記事を書きましたが、こちらのタイプは少々問題があります。
この類のシャンプーはそもそもシャンプーではなくリンス・コンディショナー・トリートメントです。
つまり頭皮を洗うためのものではなく、髪を労わるために使うもので、肌に直接つけて擦るのは非常に危険な行為になります。
実際に海外では数万人規模の健康被害も起きましたし、とてもオススメできるものではありません。
まとめ
白髪染めの後のケア程度に使うのであれば悪くはないと思います。
しかし結局染まらないならもっと良質なヘアケア商材を使った方が良いのでは?とも思います。
また「白髪染め」と謳うからにはしっかりと染まって欲しいと思いますし、明らかに染まらないであろう商品をさも染まるように煽る広告にも少々思うところがあります。
カラーシャンプー自体は決して粗悪なものではないですし、使い方次第では非常に有用なものです。
ただ、白髪にはあまり効果が無いということですね。
白髪を気にする度合いは個人差が大きいので断言はしませんが、素直に白髪染めした方が良いと思います。