ホームケアの”相場”

Q&A

サロンでは「結局、どれくらいの費用を髪にかけるのが”普通”なの?」というお問い合わせを結構頂きます。

先に答えを言うと「人それぞれ」ですし、髪や頭皮の状態によって考え方も様々ではあります。

しかし、それでは答えにならないので今回はシャンプーにおいての”相場感”のお話をします。

 

世の中にはヘアケア製品が溢れかえっていますが、値段も含めピンからキリまで非常に幅広く出回っています。

そこで、

シャンプーの相場は結局どれくらいなのか?

髪にはどれくらいお金をかけるべきなのか?

綺麗な髪を維持するためにはどれくらいの頑張らなくてはいけないのか?

少し長くなりますが、今回はそういった点についても触れたいと思います。

 

 

 

 

相場感

まずは先に相場感のお話。

先に品質と相場観のイメージをまとめてみましょう。
(※容量によって価格差がありますので、非常にざっくりしたイメージのお話です)

 

¥1,000未満(低価格帯)
主にコンビニやドラッグストア、スーパー等で販売される商品。

TVCMや広告に力を入れることが多く、とにかく安く、量が多い。

値段は安いが、実は商品内容(原価)と比べてコスパは悪いことが多い。

 

¥1,001~¥2,000(中価格帯)
主にドラッグストアやコスメストア等で販売される商品。

新興メーカーの商品が多く、天然由来をはじめ、石油系洗浄成分や防腐剤の不使用をアピールする商品が多い。

コスパ的に良品と粗悪品が混ざりやすいゾーン。

 

¥2,001~¥4,000(高価格帯)
主にコスメストアやアンテナショップ、ECサイトで販売される商品。

ピンキリの幅が広く、大々的な宣伝広告(雑誌、グーグル広告、インスタ広告など)に予算を使わないメーカーほど良質である傾向が強い。

 

¥4,000(超高価格帯)
主に百貨店やアンテナショップやECサイトで販売される商品。

海外メーカーや国内美容メーカーのオリジナルブランドが多いが、品質よりもブランドイメージを優先しがちなゾーン。

高価格でも平凡な内容の商品も少なくない

 

 

では具体的な詳細を見てみましょう。

 

 

¥1000未満

大規模なCMを打つメーカーの商品がこれに該当し、大半が
・ラウレス硫酸Na
・ラウリル硫酸Na
・オレフィンスルホン酸Na
による処方になります。

※洗浄成分の詳細はコチラ

 

安価でごっそりと皮脂を落とし、手触りを良くするためにシリコーンを添加するという、安価なシャンプーの王道です。

強力な高級アルコール系洗浄成分はスルーし、極微量が添加される美容成分を大々的にウリにすることが多く、何やら凄そうなオリジナル成分(という名の平凡な成分)をアピールするのが特徴的。

近年のノンシリコーンブームの、悪い意味での火付け役となった典型的なパターンです。

 

その理由はズバリ”広告費”であり、予算の大半を広告やCMに投入する代わりに安価な成分で大量生産するというケースですね。

大量のモデルや女優を起用し、そのイメージで売り抜く手法はもう数十年続いていますが、消費者がそのからくりに気づかない内は無くなることはないでしょう。

安価で洗浄性が強いこと自体は悪いことではありませんが、通常の健康な肌や髪の方が使えば圧倒的にデメリットの方が大きくなります

 

 

 

¥1,000~

近年の新興メーカーが得意とするエリアで、雰囲気だけの粗悪品も多いですが良質な商品も多いゾーン。

「〇〇フリー(防腐剤や着色料など)」や「天然由来」を過剰にアピールするのもこの価格帯によく見られます。

シャンプーとしての個性も出始め、頭皮に対するケアやダメージ毛に対するケアなど、目的を持った商品が増え始めるのが特徴的。

コスメストアやアンテナショップ等で扱われることが多い価格帯でもありますし、美容専売品のシャンプーメーカーで自社工場を所有するメーカーなどはこの価格帯で良質(コスパの良い)商品を出しています。

 

このあたりの価格設定からアミノ酸系シャンプーが増え始め、低価格帯のデメリットは無くなり始めます。

ただし、純粋にアミノ酸系だけで処方を組んだ商品と、高級アルコール系にアミノ酸系を少し添加しただけの商品(どちらもアミノ酸系をアピールします)では結構な差があるので要注意。

オーガニック系をはじめ「中価格だけど微妙な成分処方」という商品が紛れていることも多く、他社との差別化を図るためにやたらとボトルデザインに凝るメーカーも多い気がします。

 

 

 

¥2,000~

一般的なサロンシャンプーや海外ブランドの価格帯で、さすがに良質な商品が多いゾーンになります。

逆に「サロン品質」というブランドだけで低品質な商品を売るメーカーもあり、残念ながら「サロン品質」をアピールするから絶対安心というわけでもありません。

一部のブランド専売品を除き、そもそも販売する側である美容師自体がヘアケアの知識に欠けていることもしばしば。

 

この価格帯では品質に拘るメーカーが多いため、逆にシンプルで素っ気ないボトルになることが多いです。

逆に言えば、シンプルで素っ気ないボトルを採用しているメーカーは品質に拘っているとも言えます。
(あまり知られていませんが、シャンプーボトルの製造費用は結構高いです)

海外ブランドはオーガニック系の商品が多いですが、ブランドのネームバリューの割には微妙な商品も少なくありません。

過去には成分の偽装問題があったりするメーカーもありましたが、特別何かアクションをするでもなく謝罪するでもなく、しれっと販売を続けている有名メーカーもあったりします。

値段的にもブランドの価値を前面的に押しやすい価格帯なので、高級感はあっても平凡な商品ということも少なからずあります。

 

 

 

¥4,000~

これくらいの価格になると、相当に専門性が高いか、ブランドイメージに乗っかった平凡な商品かに両極端に分かれます。

先述したように、ボトルデザインや広告に予算を使わないメーカーは良質なことが多く、逆にオシャレなボトルや販促に精を出す会社は平凡なことが多くなります。

ただし、ブランドイメージをウリにするメーカーは専用の調香師を雇ったりするので良い香りを作ることが多く、そういう意味では有用かもしれません。

中には¥20,000~\50,000という超高価格の商品もありますが、どう見てもブランドの価値だけだと思います。

プレゼントや話題作りには良いかもしれませんが。

 

 

 

まとめ

非常にざっくりとした説明でしたが、何となくイメージは掴めたかなと思います。

高いから品質が良いとは限らないのが美容の世界ではありますが、さすがに¥1,000未満での販売で利益を出す商品には使える素材に限界があります。

これは化粧品全般に言えることですが、特に大手メーカーは広告ありきで予算を組み、なおかつ宣伝広告に優先的に予算を回す傾向が極めて強く、実際に成分処方に割く予算は限りなく少ないのが実情です。

中身よりもボトル代の方が高い、なんていうこともザラにあります。

 

毎日使う消耗品なのでなるべく安く、なるべくコスパの良いものを選ぶのは当たり前です。

ですが、その商品が本当に適正な価格なのか?良心的な価格なのか?を判断する術を一般消費者は知りません。

美容の世界は無知だと損をする世界なので、イメージでものを買うのではなく、自分に必要なものかどうかで判断することが大切だと思います。

 

髪も立派なあなたの一部です。

お肌と違って、髪は不平不満を言いませんし、ダメージを負っても直接的にあなたにデメリットはもたらしません。

しかし、綺麗な髪はそれだけであなたを魅力的にします。

「安いから買う」のではなく「必要だから買う」心がけをしてみましょう。

それが美容の第一歩だと思います。

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