界面活性剤とは

前回はシャンプーに使われる洗浄成分のお話をしましたが、今回は界面活性剤のお話。

洗浄成分=界面活性剤と考えても間違いではないのですが、界面活性剤は用途により幅広く使われます。

知ってるようで一般的には知られていない界面活性剤ですが、この記事を読むだけでどのような商品は使うべきでないのかが分かるようになります。

 

界面活性剤

まず「界面活性剤」についてですが、本来混ざらないもの(水と油)を混ぜ合わせ、分離しないようにするためのものです。

界面活性剤である脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムがいわゆる「石けん」と呼ばれ、それ以外のものが「合成界面活性剤」と呼ばれます。

「洗浄性が極めて強く、人体に有害である」として有名な合成界面活性剤ですが、実はその種類は数千種が数えられます。

 

世間的には石油由来(ラウレス硫酸、ラウリル硫酸)のものが合成界面活性剤と呼ばれ、ココヤシ由来(ココイル、ラウロイル)のものは天然由来や植物由来と呼称されています。

実際には、特に市販のものでは合成と天然を両方組み合わせて処方されることが多く、あくまで商品の洗浄性(どれくらい皮脂が落ちるか、どれくらい肌に対する影響が無いか)を目安に開発されます。

大量生産で大量販売するメーカーでは、細やかな購買層の頭皮環境等を考えるのは無理がありますね。
(ビジネスなのでそれ自体は決して悪いことではありませんし、実際に市販のヘアケアで十分にケアできる人も少なからずいると思います)

また、天然由来とはいえ科学合成することに変わりはなく、天然=安全で合成=粗悪と分けるのは少々単純が過ぎるかと。

どんなに高価で希少な成分でも、どんなに安価で大量生産できる成分でも、結局は使い方ひとつで毒にも薬にもなるのが科学の世界です。

化粧品は全て科学で成立していますので、天然由来だから人に優しく安心安全、という誤解だけはしないように気を付けましょう。

 

 

陽イオンと陰イオン

ヘアケアに使うシャンプーやコンディショナーやトリートメントには界面活性剤が使われる訳ですが、それらの殆どが「陽イオン(カチオン)」と「陰イオン(アニオン)」に分かれます。

シャンプーに使われるのは主に「陰イオン」で、頭皮の皮脂を”洗い流すためのもの”

コンディショナーやトリートメントに使われるのは主に「陽イオン」で、髪の潤滑性や保湿性を”くっつけるためのもの”

同じ界面活性剤でも役割は真逆になるわけです。
(実際にはシャンプーのきしみ防止に微量の陽イオン界面活性剤が使われます)

 

広告の嘘と方便

シャンプーに使われる合成界面活性剤は肌に対し有毒でデメリットになると言われる事が非常に多いようですが、実際にそのような事で著しい健康被害が起きたとの報告はほとんどありません。

「頭皮から合成界面活性剤や化学物質が吸収される」と煽る広告も多数見受けられますが、そのような研究報告や根拠は一切ありません

「髪がきしむ」や「枝毛が増えた」という声は非常に多いですし、シャンプーの質によってはそういうことも普通にあり得ますが、それは洗浄力の高いシャンプーが原因なことがほとんどです。

 

また乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方などが洗浄力の強いシャンプーを使えば当然フケや痒みが出る可能性がありますが、それも”洗浄力の強弱”の問題であり、界面活性剤が合成か天然かの問題ではありません。

肌に優しいと謳われるシャンプーは洗浄力が弱いことが多く、皮膚刺激がマイルドになる反面皮脂が残りやすくなる原因にもなります。

皮脂が残れば”過酸化脂質”という物質に変わり、匂いや炎症の原因になります。

また、肌に優しい=菌にも優しいということなので、マイルドなシャンプーが必ずしも頭皮環境に繋がるわけではないのが難しいところですね。

あくまで自分の頭皮や髪のコンディションを踏まえた上で、ヘアケア製品を探すのが大切です。

 

まとめ

何度も繰り返し言うことですが、一般的なシャンプーで大切なのは”洗浄成分”であり、それこそがシャンプーの性能を左右する大切な要素です。

しっかり皮脂を落としきる、洗浄力が強めなシャンプー。

マイルドで肌を労わる、洗浄力が弱めなシャンプー。

そこそこに皮脂を落とし、そこそこにマイルドなシャンプー。

どれが正解ではなく、適材適所が大切であり、それを判断する要素が洗浄成分なのです。

 

綺麗な髪は綺麗な頭皮から生まれます。

すぐに実感できないシャンプーの効果ですが、逆に言えばトラブルが起きてもすぐには治せないということでもあります。

美容の世界は地味なことの積み重ね。

何よりも予防を心がける気持ちが大切です。

 

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