「ヒューメクタント」って知ってる?

今回はお肌ケアのお話。

その中でも基本の「キ」と言える保湿のお話です。

 

化粧水や乳液、美容液やクリームなどなど、様々な形剤のスキンケアが存在します。

色々なブランドを試してみたり、同じブランドのライン使いを楽しむ方は多いと思います。

 

しかし大抵の場合、気にするのは『保湿』と『エモリエント』に終始するもので、そもそも『ヒューメクタント』という言葉を知らない方も多いのではないでしょうか?

今回は保湿(モイスチャライザー)、保水(ヒューメクタント)、保持(エモリエント)とは何ぞや?という点について触れたいと思います。

 

 

 

 

 

【保湿の分類】

 

肌ケアにおいて、保湿はモイスチャライザー、ヒューメクタント、エモリエントの3つに大別されます。

 

モイスチャライザー
例)スクロース、ソルビトール、グリセリン、BG、DPG、尿素、PCA-Naなど

自ら空気中の水分を集める力を持つ成分で、主に糖類や多価アルコールが該当。

極度の乾燥下では集水機能がマイナスに働き、肌内の水分を奪う可能性もあったり無かったり。。

 

ヒューメクタント
例)ヒアルロン酸、シロキクラゲ多糖体、スイゼンジノリ多糖体、フォリオタミクロスポラ多糖体、キサンタンガムなど

大半が高分子(ポリマー)構造を持ち、与えられた水分を保持する力(保水性、抱水性)を持つ。

水と混ざることで粘性が出るのが特徴。

スポンジの様に水分を蓄え、長時間の保湿として働きかけるが、あくまで保水性だけなので皮膚内への浸透は皆無。

 

エモリエント
例)オイル類、天然油脂類、脂肪酸エステル、ラノリン、リン脂質など

蓋状に皮膚表面を保護し、蓄えた水分の蒸発を防ぐ。

乳化剤無しでは水とは混ざり合わないため、単体では水分保持能力は持たない。

ちなみに、油分も時間の経過で乾燥する。

(※原料メーカーや化粧品メーカーに寄り、分類は若干変化します)

 

 

 

 

 

【ヒューメクタント】

で、モイスチャライザーやエモリエントと異なり、何故にヒューメクタントは影が薄いのか?

その答えは「役割が地味だから」

 

ヒューメクタントは基本的に高分子ポリマーであり、水分を含むことで機能します。

代表的なヒアルロン酸は「1gで6Lの水分を保持する」と言われていますが、これは高分子ポリマーがスポンジのように水分を吸収するという意味です。

濃度が高い場合、大量の水を吸わせるとゲル状に固まってしいます。

化粧水に配合する含有量は微々たるものではありますが、言い方を変えれば「トロミを出したい」時によく使われます。

 

スキンケアの基本はあくまで『保湿』

化粧水や乳液を通じてどれだけ浸透しやすい保湿成分を処方するか、また浸透した保湿成分をどれくらい長期間維持できるのか。

こういった面が、いわゆる『使用感』のポイントとなります。

 

例えばですが、

・水
・BG
・グリセリン
・コメ発酵液

をメインに化粧水(100ml/¥1,000と仮定)を作ってみるとBGとグリセリンが水分を集め、コメ発酵液に含まれるエキス類を浸透させる設計になります。

 

しかし、これだけでは空気の乾燥に耐えるのは難しいでしょう。

そこで、集めた水分を保持するためにヒアルロン酸を入れてみましょう。

するとBGとグリセリンが水分を集め、コメ発酵液が浸透、集めた水分をヒアルロン酸が保持する設計となり、パワーアップしましたね。

 

こうして見ると「保湿成分の効果を長持ちさせる」もしくは「長時間の乾燥から守る」役割を担っていることが分かります。

これはスキンケアや保湿において、かなり大事な要素だということが分かります。

 

しかし繰り返しになりますが、ヒューメクタントは大半が高分子ポリマーかそれに類似する構造であり、分子量が大きいので肌の中には浸透しません

だから地味であり、縁の下の力持ちと呼べる存在なのであります。

 

 

 

 

 

【まとめ】

一応念を押しておくと、例として挙げたのはあくまで化粧水の機能についてです。

実際にはこの上で乳液やクリームといったエモリエント性が必要(冬の乾燥とか)になることもあります。

 

かなり詳細は端折っていますが、それでも化粧品設計の基本的な考え方は伝わったかと思います。

こうしてみると、モイスチャライザー+ヒューメクタント+エモリエントの全てが揃ってはじめて『質の良いスキンケア』が実現するのが分かりますね。

 

実際には配合された全ての成分を正確に把握しても、それがそのまま品質になるわけではありません。

しかし「○○配合!」といったPRだけでは商品の良し悪しを判定する上で、最も重要ではないことが見えてきます。

 

ちなみにですが、上記したBG+グリセリン+コメ発酵液+ヒアルロン酸の化粧水を作ったとして、恐らく製品としては不十分だと思います。

理由としては、仮に100ml/¥1,000で利益を出すのであれば、実際には浸透させたいコメ発酵液の含有量は極微量になります。
(高いので)

グリセリンとヒアルロン酸でしっとりした感じはしても、根本的な肌の乾燥対策にはなり得ないと思います。

結果的に導入美容液や乳液、クリームなどを併用する形になると思いますが、化粧品は数を増やすほど肌トラブルのリスクも高まります。

個人的には質の良い化粧水を探した方が有益かなと。

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