ヘマチンについて

最近はようやく一般的な認知度も上がって来たであろう、ヘマチンのお話。

「毛髪補修に良いらしい」

「抗酸化作用がすごいらしい」

「カラーの色持ちが良くなるらしい」

様々なメリットをもたらすヘマチンですが、その原料を含め詳細は意外と知られていません。

今回はそんなヘマチンについて紐解いていきたいと思います。

 

 

 

 

ヘマチンとは?

ヘマチンは動物(主に豚)の血液から得られる有機鉄鎖化合物の一種です。

血液(赤血球)の主成分である『ヘモグロビン』を電気的に分離することで『ヘマチン』と『グロビン』に分けるのですが、ヘマチンはグロビンと分離すると非常に不安定で何かと結合しようとする性質があります。

毛髪の主成分である『ケラチン』は分子構造がグロビンに近く、ヘマチンはケラチンに対し非常に強い結合をするのがヘマチン補修の基本的なメカニズムになります。

つまり、ヘアケアにおいての補修成分が表面にくっつくのではなく内部に”結合”するので、洗い流しても簡単には落ちず、長期的な効果が見込めるわけです。

 

 

 

どんな効果?

①毛髪補修

髪の90%はケラチンタンパクで構成され、先述したようにグロビンが結合することで髪のダメージ部をタンパク質が覆い、手触りの改善や弾力の向上を担います。

日々の摩擦や紫外線が原因のダメージ、乾燥による膨らみやパサつき、カラーやパーマによるケミカルダメージなどなど、あらゆる原因のダメージに対応できます。

とにかく髪が傷んでいる、と感じたらとりあえずヘマチン。

それくらい万能に対応できる成分のひとつです。

 

②活性酸素の除去と白髪予防

赤血球の本来の役割は、体内に酸素を運ぶこと。

ケラチンとくっつくヘマチンも同様で毛髪や肌に酸素を運び、細胞を劣化させる『活性酸素』を除去する働きをします。

またメラニン色素の因子(酵素チロシナーゼ)を活性化させ、白髪予防にも効果的であることが分かっています。
(※白髪が急にストップするわけではなく、今後生えてくる白髪を減らすという意味)

また、元々は脱毛予防を目的に作られた成分なので、頭皮環境を整える育毛剤や養毛剤にも使われます。

 

③アルカリ剤の除去

カラーやパーマをすることで毛髪内部に残留するアルカリ剤も除去し、ダメージを最小限に抑えると同時にカラーの褪色を防止し、パーマの持ちを長くする効果があります。

とくにハイトーンカラーをする方は基本的にカラーの彩度が高い(淡い色を使う)ことが多いので、その分色落ちが早くなりやすく、長くカラーを楽しむ上で大切な要素となります。

 

 

 

 

 

デメリットは?

そんな万能なヘマチンですが、もちろんデメリットもあり「とにかくヘマチンをつければ大丈夫‼」というわけでもありません。

まず血液由来だけに非常に独特な色をしており、ほぼ黒です。

 

サロンでのカラーやパーマの前処理剤としてもよく使われますが、ほとんどの場合は濃い茶色~黒に近い色をしており、これは服にも色移りすることがあります。

ホームケア用として使うにはそれなりの注意が必要であり、ヘアケア後の流しが甘いと服や枕の汚れの原因となることも。
(それほどの濃度で使用することは極めて少ないですが)

逆に言えば、例えばシャンプーにヘマチンを高濃度で配合した製品は総じて琥珀色~濃茶色になるものでして、ある程度はシャンプーの”色の濃さ”で判断しても良いくらい。

「高濃度で配合‼」を合言葉に含有率が非常に低い、なんてことは化粧品業界ではよくある話ですが、ことヘマチンに関しては目視で非常に分かりやすいのも特徴だと言えます。

 

さらに、これはアミノ酸やPPT系の成分にも言えることですが、かなり独特な匂いがあります。

血液由来、タンパク由来だけに決して良い香りではなく、ある程度の香料で誤魔化す必要があるのもヘマチンの特徴。

ハッキリ言えば、まぁまぁ臭いです(汗)

 

これも同じく、製品が澄んだ良い香り(何の香りかハッキリ分かる)の場合はタンパク系の成分含有率が低いとも言えますし、高濃度で配合された製品は補修に関して効果的ではありますが、やはり濃度が高くなるほどに独特な匂いになっていきます。

香りか、補修性か、どちらが良い悪いの話ではありませんが、ヘアケアに関しては独特な匂い=補修性が高いという傾向は非常に高いと思います。

あとデメリットではありませんがシンプルに原材料が高価なので、ヘマチン配合の製品は基本的に価格も上がります。

 

 

 

 

 

まとめ

「血液由来」と言われるとちょっと、、という感は否めませんが、非常に安全性が高く幅広い効果を期待できる優秀な成分です。

ちなみにヘマチン自体は優秀ではありますが、ある一定の濃度を上回ると髪質が固くなり、逆に絡まりやすくなったりすることがあります。

昨今は基礎化粧品業界で原液ビジネスが流行したこともあり「業界最高濃度‼」をウリに手加減しない製品が稀にあったりしますが、何事も適量というものがあり、とにかく濃度が高ければ優れているというわけではありません。

コンセプトに合った最も効果的な配合バランスを実現する匙加減こそが、各メーカーの腕の見せ所とも言えますね。

 

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