【訃報】
先日、サロンで8年ほど愛用していたドライヤーがお亡くなりになりました。
ベースカット終了→ドライ→ドライカット終了→落ちた毛を飛ばす、、、はずが全く動かず。
ほんの5分前までいつも通りに風を吐き出していたのに、まるで眠るように逝去されました。。
ということで、今回はドライヤーの話。
たまに電気屋さんに行くと、せっかくなので美容家電も見てまわるのですが、最近ドライヤー高いですよね。
もはや単に髪を乾かす道具ではなく、見た目的にもオシャレでなくてはならない洗面所のインテリアと化している気がします。
10年以上前から続くマイナスイオンブームがデタラメ諸事情により鳴りを潜めていますが、それに取って代わる似たような機能を持つドライヤーが次々と販売されています。
ネットで探してみても「美容師オススメ‼」の高級ドライヤーが次々と出てきますよね。
「どの美容師がオススメしてるんだ?」という疑問が拭えませんが、ドライヤー市場がインフレを起こしているのは良く分かります。
では何を以て高価格になり、また高価格帯のドライヤーがどんな効果をもたらすのかを紐解いてみましょう。
【オーバーテクノロジー】
まず先に大人の事情美容ビジネスのからくりからお話しましょう。
知っている限りの最高級ドライヤーは概ね50,000~70,000円くらいの製品がゴロゴロありますね。
知ってる限りの最高値はおよそ¥130,000くらいします。
しかし、実際の口コミを見ると「効果が感じられない」という声も少なくない印象。
当然それよりも「最高♪」の声が圧倒的多数ですが、アフィリエイトの話(後述)もあり素直に受け取るのも難しいところ。
各メーカーのドライヤーは値段が上がるほどに謎のテクノロジーが搭載されていく傾向があり「どういう理屈で効果的なのか」を具体的に示さないことも多く見受けられます。
以前書いたマイナスイオンもまた然りで「実際に効果があったことを示すデータが無い」ということもザラにあります。
この手の美容商品は「健康被害を与えるものではない」という点で大目に見られている節があります。
なので、結果的に言ったもん勝ちな宣伝広告の無法地帯にもなっているようにも見えますね。
最近は少々度を越えていることも多く、ドライヤーには不釣り合いなテクノロジーがふんだんに盛り込まれるようになりました。
もしメーカーの主張が本当に根拠のある壮大なテクノロジーであるならば「ドライヤー以外に有益な使い道あるんじゃないの?」という疑問が拭えないこともしばしば。
「とんでもない天才が設計した、現代科学では追いつけない未知の技術」という可能性もゼロではないでしょう。
とはいえ、さすがにちょっと大げさだろうと考える方が自然だと思います。
【アフィリエイト】
新興メーカーの売り出す商品には『アフィリエイト代』が組み込まれていることが多いです。
また、相当な金額を宣伝広告につぎ込んでいるであろうことが容易に想像できます。
アフィリエイトとは、よくある情報サイトの「購入はコチラ!」とか「正規販売店はコチラ!」のようなリンクを通して、消費者に購入を促すシステムを指します。
このリンクを通して買ってもらうことで紹介者に対し「謝礼金」が発生するわけですね。
高級ドライヤーは単価が高いのでアフィリエイト代も高く、業界的には大体\1,000~\3,000くらいが相場の模様。
まぁアフィリエイト代もビジネスなので否定はしませんが、アフィリエイト代が高額なほどランキング上位に行きやすいのも、また事実。
1台につき数千円の広告料を価格に上乗せしているのも、また事実。
冒頭で述べたように「美容師オススメ‼」系なんかは本当に美容師かどうかも怪しいものです。
ちなみにですが、家庭用ドライヤーは業務用ドライヤーと比べ動作不良が多い傾向があります。
また謎テクノロジーもプロ相手には通用しないので、ディーラーも積極的に美容師にセールスはしません。
【結局何が良いのか?】
で、結局ドライヤーを選ぶ際は何に気を使えば良いのでしょう?
個人的な回答は至ってシンプルで「スペックと形」
まずスペックですが、例えばPCの購入を検討するとしましょう。
すると店員さんが「ストレージは〇〇ギガで、CPUは〇〇で、大きさは、、」と説明してくれmすよね?
ドライヤーも同じで「熱量、風量、サイズ」で選ぶと失敗が少ないかなと思います。
高級ドライヤーならではの様々も魅力的でしょうが、個人的には風力が強くて頑丈であれば何でも良いとすら思っています。
ちなみに、基本的に風量が大きくなるほどモーターも大きくなります。
騒音も大きくなれば消費電力(ワット数)も大きくなり、また重量も重くなっていく傾向があります。
自分で髪を乾かす時はある程度腕を上げる必要があるので、あまり大きくて重いものだと結構疲れるんじゃないかと。
そして形についてですが、正確にはノズル(吹き出し口)の形が大事。
ノズルが広いか狭いかで風の質は結構変わりますし、単純に温度と風量では測れない「使い勝手の良さ」に差が出ます。
自分で使う際にはノズルが広い方が広範囲に風が当たるので熱が分散し、ある程度の近距離で使うことで速乾性が高まります。
逆にノズルが狭い方が風の勢いが強く温度も高まりやすく、ある程度距離を離す必要がありますが、根本に風が当てやすい形状になっています。
どちらが優れているかを断じるのは難しいですが、家電用はノズルが広く初心者向け、ノズルが狭い上級者向けはプロ用に多いデザインになっています。
温度に関しては、一応「低温の方が髪には優しい」とは言っておきます。
ただある程度は好みで良いかなと、どちらかと言えば使い方に依存する話なので。
せっかくドライヤーに気を使っても、もっと高温なアイロンやコテを使えばあまり意味の無い話ですし。。
【まとめ】
どれくらいの値段から「高額」なのかは何とも言えませんが、我々が使う業務用ドライヤーは大体5,000~20,000円くらいが相場となっています。
個人的には20,000円を超えるとちょっと高いかなとは感じますし、何より髪を乾かす上では温風と冷風が出れば問題無いかなと。
あくまで個人的な意見ですが、メーカーが誇る様々な機能は正直いらないと思っています。
とはいえ、値段と比例して性能も良くなるのは決して嘘ではありません。
高価格になるほど風力・温度・使い勝手も上昇するのは意外と本当です。
端的に言えば「高いほど優秀だけど、高すぎると意味ない」ということですね。
あと高額な方が単純に見た目もカッコいいですしね。
ひとつだけ言えるのは「きちんと触ってから買おう」ということ。
何故か美容家電は口コミで判断する方が多いのですが、ドライヤーは家電量販店で試せるものが多いと思います。
よく分からないから人の意見を参考にするのは悪いことではありません。
しかし、よく知らない人の意見を鵜呑みにするのは損をするものだと思ってください。
情報サイトでオススメする人たちは、無償でやっているわけではありません。
何より、もう少しだけ自分の感覚を信じても良いのではないでしょうか?