「肌のバリア機能になるらしい」
「保湿に良いらしい」
「髪にも効果的らしい」
「色々と種類があるらしい」
セラミドは化粧品にはよく使われるメジャーな成分ではありますが、実際その種類や原材料は多岐に渡り、各々が持つ特性があります。
よく聞くけどよく知らない、今回はそんなセラミドについて紐解いていきます。
※なるべく簡単にしようと思っていますが、今回はやや難易度が高く眠くなるので、休みながらお読みください。
【セラミドって何?】
まずはセラミドの正体ですが、肌の角質層に含まれる細胞間脂質の半分を占める成分で、現在は12種類(肌は6種類)に分かれています。
角質層は極めて薄い(0,02mm)細胞ですが主にケラチンで構成され皮膚の潤いを保ち、紫外線や外部刺激から肌を守る大事な役割を持っています。
そして、その隙間を埋める細胞間脂質はケラチンを固め強度を上げると共に、肌中の水分保持力を維持する働きをします。
セラミドは肌のターンオーバーに合わせて生まれ、やがて角質が垢となり落ちていくことで循環するようになっています。
しかし、加齢と共にセラミドの量も減っていくことが分かっています。
つまり、肌の老化に合わせて外部からセラミドを補給する必要があるので、各メーカーの化粧品によく用いられているわけです。
【ヘアケア×セラミド】
ヘアケアにおけるセラミドも重要な役割を持ち、最近ではセラミドを配合するシャンプーやトリートメントもじわじわと増えてきております。
毛髪を構成する細胞(コルテックス)を接着する役割を持つCMC(細胞膜複合体)の50%をセラミドが占めており、髪本体とキューティクルをくっつける大事な要素になります。
セラミドが補給されることによりCMCが本来の働きを取り戻し、毛髪内部への補修成分の浸透を促進したり、逆にカラー等の毛髪内部からの流出を防ぐ効果があるわけです。
肌にも髪にも必須とも言えるセラミドですが、後述しますが特にヒト型セラミドは高価な素材であり、ヘアケアにおいてはコストダウンのために糖セラミドや植物セラミドなどが良く使われます。
種類
一口にセラミドと言っても色々な種類があります。
ここでは大雑把ではありますが、
・天然セラミド(ウマセラミド)
・植物セラミド
・ヒト型セラミド(バイオセラミド)
・疑似セラミド(合成セラミド)
の4つに区分けしました。
◆天然セラミド
以前は牛、現在は馬の脳や脊髄から抽出したセラミドで「セレブロシド」や「ウマスフィンゴ脂質」と呼ばれます。
動物由来のため人の細胞間脂質と構成が似ており、保湿力に優れている特徴があります。
崩れたバリア機能を修復し、肌荒れを改善する効果が実証されており、敏感肌やアトピー性皮膚炎の緩和なども含め幅広く使われています。
ただし原料が高価なため、配合されている商品は価格も高めになります。
また動物愛護の観点から、特にヨーロッパ圏では避けられる傾向があります。
◆植物セラミド
米や大豆、トウモロコシから作られるセラミドで「〇〇セラミド」や「〇〇スフィンゴ糖脂質」と呼ばれます。
比較的安価で様々な植物や多糖類、きのこや果物に由来するのですが、数が多く効果もメーカーの説明のみに依存することが多いです。
植物由来なので人の肌や髪と構造が異なるため親和性(馴染みやすさ)が低く、またアレルギーを持つ人は注意が必要になります。
◆疑似セラミド
石油から合成されるセラミドで、成分表示では「セラミド」を名乗ることは禁止されています。
名前も「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」など、複雑になるのが特徴的。
安価なため(主にプチプラコスメで)幅広く使われるが本家セラミドほどの性能は無いので、配合量で勝負するタイプ。
低価格帯の商品で「セラミド配合」をアピールする商品の大半がこれに該当すると思います。
◆ヒト型セラミド
主に酵母から作られるセラミドで、シンプルに「セラミド1」や「セラミドEOS」など数字やアルファベットがくっつきますが、理由は少々複雑なので省略。
人が持つセラミドとほぼ同じ構造を持つので肌や髪への親和性が非常に高い反面、非常に高価です。
また水には全く溶けず、あらゆる溶媒への溶解性が低いために濃度を上げることが極めて難しい側面があります。
扱いやすい疑似セラミドや植物セラミドの方がメジャーな理由でもあります。
【まとめ】
セラミドは人の肌や髪に含まれる成分であり、若々しく健康的な状態を保つために必須な要素でもあります。
ちなみに植物セラミドと同様、米や大豆やとうもろこし、もしくはこんにゃく等にセラミドは多く含まれます。
一般的に100g程度が一日の摂取目安量だそうで、直接的な効果ではありませんが、体内でのセラミドの生成を促すと言われています。
セラミドはほっておけば無くなる一方なので、健康的な肌や髪を保つために必須とも言える大事な要素です。
特に髪は肌と比べて後回しになりやすい不遇の存在ですので、たまにはしっかりとセラミドを補給し、ハリと潤いのある美髪へと導いてあげましょう。