ガラスとプラスチック

ということで、今回はSDGsなお話。

現代では毎日のように耳にするSDGs(=Sustainable Development Goals)ですが、SDGsとは国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき様々な問題への解決目標を指します。

環境に対する配慮やエコなお話が先行しているので知らなかった方も多いと思いますが、実際には

・飢餓を無くす
・貧困を無くす
・ジェンダーを平等に
・産業と技術革新
・人種や国籍の不平等を無くす

などなど、人道的な観点や未来へのテクノロジーなどの話も盛り込まれています。

 

しかし、現在進められている環境に対する配慮は本当に正しいのか?

現代まで続いてきた環境対策は本当に間違っていたのか?

こういった未来へと繋がる話を考える機会は、実際は多くは無いのが現状でしょう。

ビジネスと環境対策、今回はそういった点について考えたいと思います。

 

 

 

 

ガラスについて

ガラスは珪砂やソーダ灰、石灰石などの天然資源から作られます。

ガラスは基本的に砂(シリカ)を原料としますが、その砂は川床や海底に存在します。

その砂を採集することからガラス作りが始まるわけですが、天然資源を採集する工程で生態系に影響を与えたり洪水や浸水のリスクが高まることが懸念されています。

ちなみに「シリカは減少して生態系が変化する」という説があれば「シリカは沢山あるから問題無い」という説もあり、まだまだ研究途上なようです。

 

またガラスの製造には約1,500℃という高温が必要で、天然ガスを利用するため非常に大きなCO2の排出に直結します。

さらにガラスを作る加熱炉の耐用年数が15年程度と言われ、基本的には24時間ずっと熱を保つ必要があるため「お休み」がありません。

つまり15年間はほぼノンストップという状態なので、新しいテクノロジーが導入できないという点も課題となっているようです。

 

一度作られたガラスは細かく砕くことで新たな原料となり、再利用することが可能です。

またプラスチックとは異なり、長い時間(100万年とも)をかければ土に還るのも大きな違いと言えるでしょう。

主に飲料(ビール瓶とか)に使われるガラス瓶はリターナブル瓶と呼ばれ、回収して洗浄殺菌することで再利用をしています。
(ただし永久に再利用できるわけではないようです)

 

その他に、使い捨て(一度きりの使用)を目的にワンウェイ瓶も作られ、こちらも回収後に粉砕され新たな瓶の素材になります。

しかしガラス自体が重く割れやすく、さらに色の分別や異物の除去など手間が多いため不良品の原因になりやすいリスクがあります。

ちなみにですが、何らかの理由で再利用不可と判断されたガラスは廃棄処分となり、最終的に埋め立てられます

いくら土に還るとはいえ、一説には100万年を要するとも言われていますし、またガラスは比重が重く埋め立て量増加の原因にもなってしまうのが問題視されているようです。

 

とはいえ日本のガラス再利用率は80%以上とも言われ、それなりの高水準を保っています。

しかしガラスはプラスチックと比べ重いので、単純に搬送する際のCO2排出量が増えるというデメリットもあります。

例えばジャムなどですが、同じ容量をガラス瓶とプラスチック袋に入れた場合、ガラス瓶はプラスチック袋に比べ10倍以上重くなります。

ということは、搬送するにあたり単純に10倍のエネルギーが必要ということになり、配送効率が大きく低下するわけです。

 

 

 

 

プラスチックについて

対してプラスチックはどうでしょう?

近年は特にプラスチック容器やビニール袋が取り上げられ、マイクロプラスチックを含む海洋汚染が問題視されるようになりました。

企業側もマイナスのイメージを払しょくするため、バイオマス(生物資源を含む)を混合したプラスチック容器やガラス瓶、紙包装を採用する企業も増えたように思います。
(ただし、紙包装だからエコだと思うのは正しくありません)

 

プラスチックを成形する温度は65℃~150℃(種類によって異なります)と、ガラスと比べ遥かに低温で作れるのがメリット。

軽く、それなりに耐久性があり、またゴミ処理場(焼却炉)や火力発電(サーマルリサイクル)の燃料にもなったりします。
(※プラスチックを焼却することがCO2の排出に繋がると言われていますが、CO2の排出はプラスチックに限ったことではありません)

ビニール袋やストローのイメージが強いですが、生活必需品のスマートフォンをはじめ、冷蔵庫や洗濯機などの家電にも大量に使用されます。

 

つまり、あらゆる分野で使われるプラスチックは生活インフラの一部と言っても過言ではないと思いますし「プラスチックをゼロにする」というのは流石に現実的とは言えないでしょう。

例えばストローをプラスチックから紙に変えた結果として、明らかなデメリット(味が変質する、長時間の使用でふやける等)がありました。

つまりプラスチックの代替として使用する素材ではプラスチックほどの利便性が得られず、またコストが上がる傾向があるわけです。

さらに言えば食品や医療品など、プラスチックを使わずに同じ衛生基準をキープするのはほぼ不可能であり、また同じ価格を保ったまま化粧品等の容器を変えるのも現実的にはかなり難しいものです。

 

ハッキリと言えば、プラスチックを廃止することで商品の値段は上がり、なおかつ品質(というか機能性)が下がる、と言うことですね。

どこまでの不便まで許容できるかは、人によるでしょう。

どこまでの価格上昇まで許容できるかも、人によるでしょう。

しかし社会全体が「脱プラスチック」に払うコストは非常に大きいものだというのは間違いありません。

 

ちなみに、ガラスと同じくプラスチックにも再利用のシステムが存在します。

ただし一口にプラスチックと言ってもポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)など種類が分かれ、それらを一緒にリサイクル工程に組むことはできないようです。
(混ざるとプラスチックの品質が担保できなくなる)

だからペットボトルを捨てる際はラベルを剥がし、キャップは別で捨てるわけですね。

 

 

 

 

まとめ

化粧品メーカーを設立し、モノを「作る側」に立ってみて分かったのは「結局よく分からない」ということ。

様々な分野の人が十人十色な意見を出しますし、ガラスメーカー、プラスチックメーカー、双方の言い分はどちらも一理あるように思えます。

特にプラスチックの海洋ゴミ汚染に関しては「プラスチックが悪いというよりは不法投棄するゴミ処理業者が悪い」のは間違いないでしょう。

 

それに対して企業が責任を取るよりも、不法投棄に対する警戒や罰則を強化した方がよほど話は早いのでは?とも思います。

そして、いち消費者でありいちメーカーでもある立場を統合して思うのは、ガラスにしろプラスチックにしろ「循環型リサイクルのシステムをもっと強化すべき」ではないかということ。

「ビニール袋が悪い」「ストローが悪い」という話ではなく、今の利便性を維持する上でどう効率良くリサイクルを考えるべきか?

そのリサイクルに関心を持ってもらうために、企業や行政にどういった喚起や工夫が必要か?

そういったことが未来に繋がるエコな話ではないかな、と思います。

 

1人の10000歩よりも10000人の1歩。

未来のことを考えるのは難しいものですが、皆で手を取り合い考えることが大切だと思います。

 

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