セルフケア課金の話

「プチプラ」

「ドラスト」

「デパコス」

スキンケアの入り口は極めて広く、また最適解が分かりにくい難儀な世界です。

また、インスタグラマーやユーチューバー、タレントや女優、果てはドクターから美容家まで、幅広い方々が色々なトレンドを持ち込むので本当に複雑な世界だと思います。

 

それでも、これだけ情報が溢れている現代でも、不思議なもので肌の悩みというのは無くなることがありません。

「この化粧品は自分に合っているのか?」

「ちゃんと効果的な処方になっているのか?」

「つける順番は合っているのか?」

「違うメーカーやライン使いだけど、いいのか?」

などなど、ふとした時に疑心暗鬼になる方、結構いるような気がします。

 

私としても、いざ化粧品開発に携わって5年。

業界の裏や消費者のマインドなど、見えてきたものも色々とあります。

そこで今回は、実際に化粧品を作っている目線でスキンケアの相場について考えたいと思います。

 

 

 

 

 

スキンケアの相場感

結局は「人それぞれ」な話なんですけど、個人的に思うのは「相場感を持ってない人の方が多いな」ということ。

いざデータを調べてみると、スキンケアにかける金額は平均して『¥2,000~¥3,000/月』という感じ。

一応念押ししておきますと、1万円のコスメで2~3カ月持たすような使い方もあるでしょう。

統計的にこういうデータがあるので、大手メーカーはこのあたりの値段設定で商品を作るでしょうし、その商品が市場を席捲するので消費者の大半がこの価格帯の商品を購入する、ということだと思います。

 

で、疑問なのは「安いから買う」のか「必要だから買う」のか。

例えば、家賃や趣味に使うお金などは収入のパーセンテージで考える人は結構いると思います。

仮に月収が30万円ならば、家賃は7~10万円くらいを連想するものですよね?
(※東京23区内の話です)

 

しかし化粧品になるとこういった計算が皆無であり、だからこそ「安いプチプラを使う→肌が荒れたから高いデパコスを買う→あんまり効果が無いからドラッグストアで色々と試す」ような流れになるんだと思います。

もちろんそれが悪いとは言いませんが、スキンケアの世界は長期的に考えるのが基本なので、最低でも1カ月、できれば3~4ヶ月で検証する姿勢が大切です。

 

 

 

 

 

支出の計算

で、当然毎月の支出になるわけですので、余裕を持って買える金額に抑えなくてはいけないわけで。

お金の価値観は個人差があるので難しいところですが、個人的には収入の3%~5%あたりを目安に考えてみては?という考えを提案しています。

 

仮に手取りの年収が400万だと仮定して、その3%だと12万円、5%だと20万円。

年齢層は無視して、ざっくり中価格帯ホームケアの中央値で計算すると、

メイク落とし+洗顔・・・¥2,500円/月

化粧水or乳液・・・・・・・¥4,500/月

美容液orクリーム・・・・・¥4,500/月

ヘアケア全般・・・・・・¥2,000/月

合計で¥13,500/月=¥162,000/年という感じ、パーセンテージにするとおよそ4%ですね。

 

仮に全てデパコスで揃えてみると、

メイク落とし+洗顔・・・¥5,000/月

化粧水or乳液・・・・・・¥10,000/月

美容液orクリーム・・・・¥15,000/月

ヘアケア全般・・・・・・¥10,000/月

くらいになります、合計で¥40,000/月=¥480,000/年となり、年収で考えると約1000万円くらいでしょうか。

当然個人のお財布事情(学生、独身、既婚、子育て中etc..)により大きく異なるものだと思いますが、そこまで大きく外れることもないでしょう。

 

 

 

 

 

見合う効果はあるのか?

で、気になるのはそれだけの高額な費用に見合う効果はあるのか?という話ですね。

これに関しては、いちメーカーとして少し曖昧な答えになりますが「効果が見合うとは限らない」というのが本音です。
(※効果が見合わないとは言ってません)

 

当然ピンキリは激しい化粧品業界ですが、それらを作る原料は決して安く購入できるものではありません。

「化粧水の中身はほぼ水」と主張する方々では想像できないくらい高いです。

しかし、それらを「どう使うか」によりコストをコントロールできちゃうのもまた事実。

必ずしも高額の商品=原価が高い、というわけではありません。

 

例えばデパコスで言えば、

・ブランド力

・宣伝力

・希少性

・丁寧なサービス対価

が値段に含まれます。

 

つまり値段に効果が見合わないのではなく、商品の性能に様々な要素が上積みされている値段、ということです。

端的に言えば「コスメカウンターでものすごくチヤホヤされる」値段が加算されている、と言えば分かりやすいでしょうか。

対面で接客し、あなたの肌悩みにどこまでも付き合ってくれるのはデパコスだけでしょう。

昨今はネット上でも『お悩み診断』的な問診ができたりしますが、あんなものは『性格診断』と同レベルで、当てはめようとすればどうにでもなるいい加減なものです。

 

ブランドには誰もが認める『価値』があり、長く愛されるからこそブランドが確立していくわけです。

単に商品の値段だけで考えず、ブランドの持つホスピタリティにもお金を払っていると思えば、そう高くは感じないのでは?とも思います。

とは言え、シンプルに商品性能だけで言えば「コスパが悪い」と感じる人も少なくないでしょう。

だからと言ってプチプラと差が無いかと言えば「絶対にそんなことはない」とも断言できますが。

品質に多少なりのこだわりがあれば、到底プチプラ価格では売れないですからね。

 

 

 

まとめ

というわけで、化粧品の相場観のお話でした。

散々話しておいてなんですが、結局は「自分の髪質・肌質と相談の上、収入に見合ったものを使う」のが正解と言っても良いでしょう。

 

ヘアケアもスキンケアも、基本的にすぐに効果を発揮して美しくなれるわけではありません。

いきなり髪がボロボロになることが無いように、いきなり肌が滅茶苦茶荒れることが無いように、髪質も肌質もすぐに回復することはありません。

 

医薬品であれば早急な症状の緩和は可能だと思いますが、あれはあくまで『薬』ですので、考え方としては『対処療法』になります。

風邪薬を飲んで風を治すのは正しいですが、風邪の予防で風邪薬を飲み続けるのは間違っています。

では風邪をひかない体づくりをするには何が必要か?

 

化粧品の価値とはそういうものだと理解してください。

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