実に数カ月ぶりの更新になります。
久しぶりなので、これも良い機会と捉え、改めてコツコツ始めたいと思います。
いきなりですが、弊社は「ペプチドとセラミドを加工する技術力」を強みとしています。
なのですが、そもそも「ペプチドとセラミドは何の役に立つのだ?」というご理解が、弱いんですよね。
なので今回は分かりやすくセラミドに焦点を絞って、解説したいと思います。
【セラミドについて】
まずはセラミドの基礎知識から。
セラミドとは、我々の肌をや髪を守る「細胞間脂質」の主要な成分です。
保湿成分の代表格の一つであり、乾燥肌や敏感肌、アトピーにも効果的とされる究極の「守り」の成分です。
また肌だけでなく、髪の保湿やバリア機能の改善にも欠かせないものでもあります。
細胞間脂質は読んで字の如く、細胞間に存在する脂質のことを指します。
よく「レンガとモルタル」に例えられますが、肌の角質層や髪のキューティクル間に隙間ができないよう、細胞間脂質が隙間を埋めています。
この細胞間脂質の約半分を占めるのが、セラミド。
肌の顆粒層付近で作られ、肌が乾燥しないよう水分を保ち、また外的要因(アレルゲンや菌)から肌を守っています。

上図はセラミドの基本骨格ですが、見ての通り「水に馴染む部分」と「油に馴染む部分」の両方の性質を持っています。
この性質が水と油の層を作り、水分を逃がさない「ラメラ構造」を構築します。

保湿ケアでは、よく「化粧水で保湿して、クリームで蓋をする」ことを推奨しますが、角質細胞内でも同じようなことが起きているわけです。
このように、セラミドは「保湿」と「バリア機能の強化」として、極めて大事な役割を担っています。
【スキンケアにおいて】
肌の潤いを守るセラミドですが、極めて簡単に失われてしまう弱点があります。
-主な原因-
・紫外線や生活習慣による肌荒れ
・乾燥
・強すぎる洗顔
・強い摩擦
・アトピー性皮膚炎
このように、主に紫外線、肌に合わない洗浄性、そしてケミカルダメージなどで簡単に失われてしまいます。
また、極度の乾燥肌や敏感肌、アトピー性皮膚炎は元々のセラミド含有量が少ないことが分かっています。
「セラミドが不足する=肌の潤いを維持できなくなる=バリア機能が低下する」ということで、外から補給してあげる必要があるわけです。
【分類】
細かく分けるとかなり細分化するのですが、ここでは大雑把に、
①ヒト型セラミド
②天然(植物性・動物性)セラミド
③疑似セラミド
の3つに分けます。
ヒト型セラミド
まずはセラミドの代表格である、ヒト型セラミド。
化粧品表示では、
・セラミドAP
・セラミドNP
・セラミドEOP
のように「セラミド+アルファベット」で表示されます。
ヒト型は肌のセラミドの構造(スフィンゴイド骨格)と同じ構造を持ちます。
セラミドや類似成分の中で最も細胞間脂質への親和性が高く、ラメラ構造の修復や再構築に働きます。
その一方で原料が非常に高価で、また結晶化しやすいため高配合が難しいというデメリットも存在します。
天然セラミド
天然セラミドは植物(コメなど)や動物(馬)から抽出された、糖脂質の一種。
化粧品表示では、
・ウマスフィンゴ糖脂質
・セレブロシド
・コメヌカスフィンゴ糖脂質
・グルコシルセラミド
のような表示になります。
動物由来は馬の脳や脊髄から抽出され、ヒトのセラミドに近い構造を持つので、浸透性や保湿性に優れているとされています。
倫理的な問題や安定供給などに課題があり、高価になる傾向があります。
植物由来はコメ(コメヌカ)やトウモロコシ、ユズなどから抽出されます。
ヒトセラミドとは構造が異なりますが、肌の酵素により分解され、セラミドの材料(前駆体)として働くとされています。
比較的安価で処方に組みやすい(水に溶ける)反面、直接的なラメラ構造の修復力は劣ると言われています。
疑似セラミド
セラミドとは異なる化学構造を持つ高分子の一種。
化粧品表示では、
・セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
・ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
のように表示されます。
例外的な扱いとして、
・ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
も人によっては疑似セラミドである、と分けることもあるようです。
(アミノ酸系エモリエント剤と呼ばれます)
セラミド様作用を持ち、安価で安定性が高く、また溶解性に優れます。
ラメラ構造の修復力は弱いものの、肌表面の被膜形成に優れているため、高い保湿性や柔軟性を持ちます。
【実際の効果】
セラミドは肌のバリア機能として働く保湿の最重要成分です。
そのため、各機関で盛んに研究も進んでおり、その効果の裏付けが日々行われております。
その効果の最も重要な点として、
・皮膚バリア機能の改善
・乾燥肌に伴う痒みの改善
が挙げられます。
強い炎症を伴うような痒みに対し、医学的にはステロイドが用いられます。
しかしセラミドを与えることで乾燥やバリア機能の改善が見られたということは、ステロイドの効果に近い結果がもたらされたことになります。
つまり「極度の乾燥肌やアトピー性皮膚炎に対するアプローチとして有効である」ということでもあり、現在もそういった研究が続けられています。
また、合成セラミドもステロイドに匹敵するアトピー性皮膚炎の改善があったとされる研究もあり、いずれのセラミドも肌の保湿やバリア機能の改善に明確に役立っていることが分かります。
【セラミド化粧品を選ぶ時】
このように、乾燥肌や敏感肌の強い味方となるセラミドですが、いざ化粧品を選ぶ際には何を基準にすれば良いでしょうか?
先に天然セラミドのお話をしますが、現在は植物由来のセラミドが主流であり、馬由来のセラミドは減少傾向にあります。
効果の良し悪しは別にして、やはり「馬の脳や脊髄由来」と言われると、、、な面もあり、個人的にはあまり好んで使おうとは思いません。
(お好きな方がいたら、申し訳ないです)
植物由来のセラミドは単体で高い効果をもたらすというよりは、他の美容成分の補助的な役割として処方することが多いと思われます。
なので、個人的には「ヒト型セラミド」と「疑似セラミド」の2つをオススメします。
まずコスト面ですが、ヒト型セラミドは原料が高価なため、販売価格も高くなる傾向があります。
対する疑似セラミドはコストが比較的安く、販売価格も同様に安くなる傾向があります。
どちらが効果的かは人によって意見が分かれますが、個人的には
・内部への浸透と根本的な肌トラブルの解決→ヒト型セラミド
・被膜形成による保湿と肌柔軟性の向上→疑似セラミド
と言う感じで捉えてもらえればと。
ヒト型セラミドの方が効果が高く、疑似セラミドの方が効果が低い、とは単純に言えません。
どちらも処方次第で同等の力を発揮できると思います。
【まとめ】
というわけで、今回はセラミドのお話でした。
主に肌のお話になりましたが、セラミドはヘアケアにも有効ですし、近年はリップケアも注目されています。
肌の水分量の維持に、乾燥や炎症の予防に、そして肌荒れやアトピー性皮膚炎の改善に。
個人的には普段のスキンケア・ヘアケアにセラミドを取り入れることを強く推奨します。

