美容師の見つけ方

先日アップしたコラムが、珍しく多くの方に読まれたようで。

あくまで私の独断と偏見に満ちた意見ですが、似たような想いを抱いてた人もいるんだなと確認する良い機会になりました。

ただ、ちょっと耳が痛い意見もありまして。

 

「髪の悩みは赤の他人じゃなくて、担当する美容師に聞くべきだ」と書いたんです。

で、それに対し「店や美容師の技量が図るのが難しいから、困ってる」との意見を見かけました。

なるほどなーと。

 

なので、今回は現役美容師が考える「良い美容師の見つけ方」を考えてみようかなと。

ただ先に言っておくと、あんまり大した解決法は思いつきませんでした。

一応マジメに考えてはみたんですが、もしかしたら全然しっくり来ないかもしれません。

 

何となく目を通してもらえれば幸いです。

どうか炎上しませんように。。

 

 

 

 

 

 

【大前提として】

「イメチェンしたい」

「髪質を変えたい」

「しっかりと髪のことを相談したい」

理由は何でも良いんですが、美容室に行く目的は何なのかを、まずは明確にすること。

 

叶えたいスタイルがハッキリしているのか?

よく分からないから相談したいのか?

素敵な空間で癒しを求めているのか?

それにより、目指すサロンの色が変わってくるかなと思います。

 

というのも、大半の美容師は決して万能ではなく、得意分野と苦手分野があるものです。

カラーが得意だったり、髪質改善が得意だったり、カットや垢ぬけたスタイルのデザインが得意だったり。

 

それぞれ伸ばすスキルの質が異なりますし、昔と比べ顧客様の目も肥えているので、生半可な技術だと通用しにくいんですよね。

特に現代は自己プロデュースをしてアピールしなきゃいけない時代なので、基礎的な技術の習得と同時にSNSでの発信にも取り組まなくてはなりません。

それだけ美容師に必要なタスクが増えているとも言えますし、相対的に学べる範囲の幅は狭まっているようにも感じます。

 

例えばデザインカラーが得意な美容師に髪質改善を望んでも上手くいかないでしょう。

同様に、髪質改善やトリートメントを得意とする美容師にパーマスタイルを注文しても、再現は難しいと思います。

お店の方針にもよりますが、美容師のスキルって結構幅広く専門性が枝分かれするもので、ユーザーが思うほどに全般的に勉強するわけではありません。

 

なので、今は平均的に色々とこなせる美容師よりも「ストレート専門」とか「ハイトーンカラー専門」の様に、スキルが尖っている美容師の方が売れる時代じゃないかなと。

逆に言えば無難な美容師は減っているとも言えます。

幅広い技術が扱えないからこそ、お客様が求める者に対して合う・合わないがハッキリとしてきているのかもしれません。

 

 

視点を変えれば、カウンセリングにこそ力を入れて「30分でも1時間でも付き合います!」という猛者も少なからず、います。

他にもリラクゼーションに力を入れていたり、オシャレで落ち着く空間作りに力を入れていたり。

美容師のスキルに関係無い部分でも、ホスピタリティとして力を入れるサロンも多いと思います。

 

 

というわけで、サロンを探す際の最初の問いは「何を求めているか?」になるのかなと。

今挙げたような点を全て兼ね添えるサロンが理想なのは間違いないでしょうが、それには相応なコストがかかります。

「お手軽な価格で」を条件に入れた場合は、ほぼ無理だと思ってもらって良いです。

 

店舗の内外装や設備は当然のこと、有能でホスピタリティに溢れるスタッフを育てるにはコストと時間がかかります。

つまり、それら全てを提供できるサロンは総じて「高価格帯」です。

客単価を上げないとこれらのサービスを総合的にこなすのは難しく、客単価を下げれば顧客様の回転を上げなければなりません。

 

美容師は在庫を売る仕事ではなく、人が人に応対して技術やサービスを提供する仕事です。

また顧客様1人1人のご要望を叶えるため、テンプレな接客ができません。

ビジネスの特性上「コスパが良いものを提供する」ことが難しい職種なのを、まずはご理解ください。

 

 

自分がサロンにお金を払って、受けたい対価は何なのか?

そもそも何でそのサロンに行こうと思ったのか?

目的がボンヤリしてると、大抵の場合答えもボンヤリするものです。

 

 

 

 

 

 

【サービス業の対価】

「そんなことより、技術を学べ」と思うユーザーも多いでしょう。

実際に「美容師は絶対にスキルで選ぶべきだ」と主張する美容師が大半ですし、何なら私もそう思います。

 

それはその通りなんですけど、現実に技術的なことよりも、過ごしやすい空間に価値を見出す顧客様も少なくないんですね。

例えば個室の用意があったり、キッズルームが完備されていたり。

結局はサービス業なんで、技術的なサービスと並行して付加価値が求められるわけです。

 

今は何でも口コミの時代なんで。

「技術は良いけど、混んでて待たされる」とか「接客は良いけど、店がゴチャゴチャしてて窮屈」とか。

技術以外の部分で言われるネガティブな口コミも、店舗経営としては同様にマイナスになります。

 

「コスパは良いけど、待たされる」

「担当はカットだけ、後は全部アシスタント任せ」

「施術時間を大幅にオーバーして、予約の意味が無い」

「まともにカウンセリングもしてくれない」

多くの人がこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか?

 

これらは『コスパの良い』サロンでよく耳にする意見です。

言い方を変えると「数をこなさなきゃ利益が出ない」サロンでよくある話ですね。

お客様の回転数と満足度の天秤、もう永遠のテーマと言っても良いくらいでしょう。

 

かくいう私も昔はスタッフ40人くらいの大型店で働いた経験がありますんで、サービスを提供する側の悩みも、受ける側の不満もよく分かります。

これはもう下請け、孫請けの会社員と同じ感覚で「上がやれって言うもんですから(泣)」と同じです。

店の経営方針に納得していないけど、店の売上を出すためにやるしかないということ。

 

とはいえ、そんな口コミが多いにも関わらず、繁盛してる店もあるわけですよ。

内容が微妙でもコスパが良い(回転が良い)からこそ、厳しいサロン戦国時代を生き抜けている現実があるわけです。

 

 

実際に「俺はもっと顧客様と向き合うんだ!時間をかけて丁寧な仕事をするんだ!」と意を決して独立するも、鳴かず飛ばず。

泣く泣く店をたたんだ美容師の先輩や知り合いを何人目にしたことか。。

残念ではありますが、お客様の理想を叶えることとサロン運営で利益を出すことは同じ方向の概念ではないんだと思います。

 

私も現役の美容師であり、小さなサロンですが運営する経営者でもあります。

ウチは「顧客様とガッツリ向き合う」系のサロンで、アシスタントもいないしお客様の数を制限してるんで、全然儲かってはいません。

若干の利益はありますが、化粧品事業に使っちゃうんで会社にお金は残ってません(切実)

 

もういつ潰れてもおかしくないくらいの財務状況ですし、むしろよくこれだけ長くサロン運営できてるなと我ながら感心します。

なのに顧問税理士はどこ吹く風。

こっちは消費税の納税できるかどうかでヒヤヒヤしてんのに。

 

「全然大丈夫じゃないすか?」とか抜かしてますが、どこ見てそんなこと言ってんだと。

仕事しろ、仕事。

ちょっと話が逸れました。

閑話休題。

 

 

 

 

 

【どう探す?】

やっと本題ですが、最も正確で話が早いのは「知り合いからの紹介」です。

もう、これに尽きます。

 

身近な友人でも良いですし、もしくは「あの人いつもオシャレだなー」と思う知り合いでも構いません。

その人柄やセンスが信用に値する人物であれば、あなたもある程度の安心感があるでしょうし、紹介されたサロンも邪険に扱うことは無いでしょう。

 

今でこそネットの発達もあり色々な宣伝広告の手段がある時代です。

しかし我々の商売は元々顧客様からの紹介が命綱であり、それは今も変わりません。

赤の他人の口コミより、SNSのスタイル写真より、紹介の方が絶対に失敗は少ないと思います。

 

その次はベタですけど、口コミを頼りにします。

あくまで私の感覚ではありますが、口コミの良し悪しよりも

・口コミが多い(数千件とか)サロンはコスパが良い(低単価でお客様の回転数が高い)

・口コミが少ない(数十件とか)サロンは常連客が多い(高単価で施術に時間をかける)

お店である傾向が強いように感じます。

 

ちなみにホットペッパービューティーの口コミですが、まことしやかに「悪い口コミは削除される」と噂されることがあります。

基本的に口コミの投稿から一定時間(確か2年くらい)が経過すると勝手に削除されるので、そう感じる方がいるのだと思います。

担当に聞いたことがないので分かりませんが、全国のサロンが掲載料を払って運営するサイトなので、流石に公平性を担保できないシステムにはしないんじゃないかと。

強いて言えば、名前を載せる個人攻撃はNGだったと思いますが。

 

 

またGoogleの口コミもありますが、個人的にはコッチはちょっと問題ありですな。

良い口コミはいいとして、悪い口コミが無法地帯なんですよね。

 

店を利用したことのない方でも口コミを投稿できるシステムなので、明らかに顧客様でない方の投稿も多いと聞きます。

実際にウチの店も事実と異なる点を批判されたりもしているんで、ちょっと情報の正確性にかけているような気がします。

「成功報酬型で口コミ削除できますよー」なんてセールスが来たりもするんで「何だったらグルなのか?」と勘繰るくらい。

 

 

SNSで言えば、Xやスレッズは信憑性に欠けると言うか、、盛って話す方が多い気がします。
炎上しませんように

 

インスタはスタイルを探すのは便利だと思います。

しかし基本的に上手くいった時の写真しか使いませんので、スキルを計るには微妙に頼りない気もしなくもない。

最近はAIによる画像の加工や編集も増えているようですし、ぶっちゃけスタイル写真だけで判定するのも今後は難しくなると思われます。

強いて言えば写真じゃなくて、動画の方が正確にイメージを掴みやすいかなと。

 

また、美容師向けの技術解説をしてる美容師さんも結構います。

そういった方は動画で技術を披露している方も多く上手な方も多いので、スキルで探すならそっちの方が有力かなと。

人に教える立場の人間はキャリアも長いですし、人間的にも成熟していることが多いと思います。

 

 

ついでに言いますと「顧客満足度〇〇%!」とか「リピート率〇〇%!」とか「月間売上〇〇万円達成!」とかは、あんまり気にしなくて良いかと。

あくまで『自称』なんでね。

知ってる限りの売れっ子美容師はそんなことイチイチ言いませんて。

何の参考にもなりませんよ。

 

 

TikTok?知らん。

 

 

 

 

 

まとめ

改めて考えると、信頼できる美容師を探すのって難しいですね。

私のサロンに通ってくださる顧客様にも「何でウチ来てんすか?」なんて聞けないですし、実際の来店理由はよく分かりません。

単に「近いから」と言う方もいることでしょう。

 

長々と書いてみたものの、結局「コレだ!」というようなアイデアは見つからず。。

力不足で申し訳ないす。

 

最後に、箇条書きでまとめてみたいと思います。

・「何を」目的に行くのかを明確にする

・カウンセリングで希望することはしっかりと伝える

・NG項目は、よりしっかりと伝える
(長さとか、カラーのトーンとか)

・1回目で好感触でなければ、2回目で挽回することは無い

・3つのサロンを試して満足しなければ、同じ価格帯を選ばない

・Xはスキルではなく、人柄を探る

・インスタはスタイル探しに使う

・「自称」で語る肩書は無視して良い

・「9割の人が知らない」で始まるツイート美容師は避ける

・クーポンで店を選ばない

・スタイルに迷った時は王道を試す
(王道ボブ、王道レイヤー、ベージュorブラウン系のカラーなど)

こんなところでしょうか。

 

別にこれを守ったところで、素敵な美容師に巡り合えるわけでもないんですが。

ただハズレを引く可能性は減らせるんじゃないかと。

 

ちょっと盛り上がりに欠ける内容でしたが、せっかく5000文字も頑張って書いたので載せておきました。

何かのお役に立てれば幸いです。

 

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