一流シャンプーの話

毎月の様に、新商品のヘアケアやスキンケア商材の発売が発表されています。

リリースと同時に『美容家』や『元化粧品メーカー』と称するインフルエンサー達がこぞって「この研究は凄い!」「この技術は凄い!」と持ち上げるわけですが、個人的にちょっと思うところがありまして。

大手メーカー様の技術力が素晴らしいのは言うまでもないのですが、ちょっと視野が狭すぎる感じが否めないんですよね。

 

大手メーカーのように、ある程度の予算を宣伝に使い、認知してもらえるよう努力するのは企業の務めとも言えるのでしょう。

せっかくの研究内容も、知ってもらわないと意味がないですからね。

その一方で、バズってはいないけれども品質を高く評価されているメーカーや商品も少なからずあります。

 

不思議なのは、そういったニッチだけど高品質な化粧品を紹介する人が極めて少ないこと。

「私だけが知ってるすごい化粧品」だからこそ紹介する意味があると思うんですよね、だって誰も知らないもの。

誰も知らないからこそ、その情報に価値が生まれます。

 

宣伝広告にある程度の予算を使えるメーカーは誰もが知ってる商品ばかりですし、すぐにコスメストアやドラッグストアに並びますし。

ぶっちゃけ、誰かが紹介するまでもなく認知されます。

そういった販路を取らず(取れず)に、地道に高品質な商品を目指すメーカーって決して少なくないんですよ。

 

にも関わらず、専門家風な方々が取り上げる気配は殆ど感じられず、個人的に凄く不思議に思ってたんですよね。

その理由を考えてみたんですけど、恐らく「プロの間で評価の高いヘアケア商材を、知らないのでは?」という答えに行き着きました。

多分知らないんですよ、情報がバンバン発信されるわけでもないので。

 

大手メーカーは大々的に報道しますし、SNSを見てれば絶対に誰かが案件として取り上げます。

その「誰でも知り得る情報」をたらい回しにすることで、認知度を広げるのが近年の鉄板マーケティングの形です。

しかし、その情報には本当に価値があるのか?と思うわけです。

 

受動的に入ってくる情報を取り上げるだけなら、誰でも出来ることですしSNSを見てれば勝手に目に入りますよね。

一方で市場に出回らない高品質な商品は、能動的に掘り下げなきゃ見つからないことが多いんです。

『美容家』や『化粧品関係者』を名乗るのであれば、そういったニッチな商材まで網羅して初めて『専門家』だと思うんですよね。

 

というわけで毎度おなじみ、前振りが長くなりました。

今回はヘアケアの『専門家』である私が、いち化粧品メーカーを運営する私自らが、他社商品をオススメしてみたいと思います。

実際に私が使ったことのある商品からの抜粋になりますので、主に美容専売品になります。

 

 

 

 

 

 

【高品質の定義】

まず先に『高品質なシャンプー』を定義したいと思います。

それだけだと退屈なので、その定義を「ユーザーが分かる部分」と「ユーザーに伝わりにくい部分」に分けてみたいと思います。

意見はメーカーごとに異なると思いますので、あくまで一つの意見としてご参照ください。

 

 

-ユーザーが分かる部分-

洗浄成分の種類とバランス
まずはシャンプーの最も重要な部分である、界面活性剤について。

高品質という括りで考えれば、基本的には「保湿性を担保できるアミノ酸系」もしくは「毛髪補修性を持つPPT系」の二択になります。

 

次点で低刺激&高起泡性のスルホン酸系(ココイルイセチオン酸Na、スルホコハク酸○○など)

もしくはスッキリ洗えるカルボン酸系(ラウレス-○カルボン酸など)やグリシン系という感じ。

保湿や毛髪補修に重きを置くか、皮脂やコーティングを落とすことに重きを置くかは好みや目的の差ということで。

 

 

また起泡補助として使われる両性・非イオン性界面活性剤にもこだわるメーカーもあります。

例えばアミノ酸系(ラウラミノプロピオン酸Na、ココアンホ酢酸Naなど)やベタインの上位互換となるスルホベタイン型(ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインなど)を採用しているもの。

主に刺激の緩和や泡質の改善を目的に配合されますが、シャンプーの機能性を底上げする意味でかなり大事なウェイトを占めます。

 

特に大手メーカーは、低コストで使いやすい硫酸系やオレフィン系の刺激軽減を突き詰める傾向があります。

しかし、実は「扱いが難しいけど低刺激な成分」を使いこなせる方にメーカーの技術力が問われるものです。

このあたりは「どの顧客層に」「どれくらいの規模で販売するか」を加味した上の生産コストによる考え方の差でしょう。

しかし、安全性や補修性に定評のある成分を優先的に使える方が、上質なものに繋がると考えるのは道理ではないでしょうか。

 

 

 

補修性、保湿性、抗炎症性
加水分解PPTやエキス類、セラミドやフィトステロールズなどの脂質、そして抗炎症成分など、毛髪の補修・保湿や頭皮をケアできる成分など。

洗浄剤であるシャンプーの刺激を緩和したり、何かしらの付加価値を加える上で大事な要素になります。

 

勘違いしがちなので触れておきますが、毛髪補修と頭皮ケアはイコールではありません。

個人的な見解ですが、大抵の場合は8:2くらいの割合でどちらかによる傾向があります。

万能なシャンプーなど無いですし、普通は「ダメージケア用」とか「スカルプケア用」という感じで何を目的に作ったのかは訴求することが多いと思います。

 

また同じダメージ補修でも、内部補修と外部補修で狙う効果も異なります。

PPTなどで髪の芯から補修することでハリコシや髪の体力を回復させるもの。

毛髪内部の浅い部分やキューティクルケアにより、ツヤや潤滑性を向上させるもの。

 

どちらが良い・悪いではなく、即効性と持続性の差だと思えば分かりやすいかと。

内部補修は効果を実感するまでに時間がかかりますが、外部補修は手触りに直結するので効果を実感しやすいんですね。

高品質なものほど同時補修を狙う作りになりますが、低コストなものほど外部補修に寄る傾向があります。

 

 

 

③香り
高品質に欠かせないアミノ酸系やPPT系ですが、最大の弱点は「独特の臭いがある」ということ。

端的に言えば臭いんです、原料は冗談抜きでエグい臭いがします(経験談)

 

なのでマスキング等を施して香りをつける必要があるのですが、これがまた難しい。

逆に硫酸系などの洗浄成分は特異な香りが少なく、良く言えば調香が容易な側面があります。

「商品を選ぶ決め手は香り」というのも現実的に必要な要素なので各メーカー頑張ってはいるんですが、個人的にはココが大手と小規模事業の最も大きな差だと思っています。

 

 

 

 

-ユーザーに伝わりにくい部分-

泡質
実際に使用した際の泡立ち、キメの細かさ、泡持ち、泡切れなど、要は使い心地ですな。

泡質はシャンプーによる摩擦を抑え、洗浄性を均等に広げる上で大切な要素であり、メーカーの技術力が最も問われる部分の一つです。

質感を作るための補助として両性・非イオン系界面活性剤にも工夫が見えると、より高品質だと思います。

 

よくあるのが泡質を作りにくいアミノ酸系・PPT系に手っ取り早く起泡性を持たせる高級アルコール系やオレフィン系を添加する処方。

それらを加えると簡単に泡立ちが改善し、コストカットにも繋がるため低価格~中価格な製品によく見受けられます。

この処方自体が悪い訳ではありませんし、コスト面では優秀なので商品企画としては十分に筋が通っています。

 

が、シャンプーを作る技術力で考えると微妙なところでもあります。

アミノ酸系とかPPT系って、泡立ち豊かに作るのが難しいんですよ。

すぐシャバシャバになるし。

 

なので両性、及び非イオン性界面活性剤や糖類・多糖類・親水性増粘剤などを駆使して泡立ちを確保するのですが、この難易度が高いんです。

「つなぎを使わずにハンバーグを滑らかに成型する感じ」と言えば伝わりますでしょうか?

高品質なシャンプーには、高い技術力が備わっていることをまずは知ってください。

 

 

 

贅沢な原料
一部例外はありますが、ドラッグストアやコスメストアでの販売をしないメーカーも多いので、良くも悪くも価格競争で勝負をすることがありません。

突き抜けて優秀な成分を積極的に採用する傾向が高く、その割にはかなり限界スレスレまで販売価格を下げようと努力しております。

大抵の場合は小規模事業なことが多いので、ある程度の数が販売できれば元が取れるんですよね。

 

無理に販路を拡大せず、多大な人件費を使わないからこそ可能になる価格設定なケースも多いです。

なので平均的な市場価格より高額になったとて、むしろコスパが高い商品が多いと思います。

ちょっと大げさに言えば、大手メーカーが同じ商品を作れば絶対に同じ価格では売れません。

実際に同等の品質の商品を発売した例が無いことが、何よりの証拠でしょう。

 

 

 

 

 

 

【商品紹介】

※思い出した順なので商品の優劣ではありません

 

 

アイナボーテ
PPTコラーゲン&シルクシャンプー

 

乾燥肌~普通肌用(しっとり)しか使ったことないですが、コラーゲン×シルクPPTを中心に、豊富で滑らかな泡質を完成させた極上のシャンプーです。

割とシンプルな処方ですが、完成度が非常に高くダメージ補修にも頭皮環境改善にも使える万能な一品だと思います。

「トリートメント不要」は流石に言い過ぎな気がしないでもないですが、バージン毛ならそれもアリかなと。

 

ハイトーンカラーや縮毛矯正など、それなりのダメージ毛なら即効果を実感できるんじゃないかと思います。

「ちゃんと良いもの使いたいけど、何を使えば良いか分からない」なら、とりあえずコレ使っとけば間違いないです。

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ナプラ
ケアテクトHBリペアシャンプー

エヌドットの大ヒットで一躍有名になりましたね。

これはかなり前から売ってるので、相当なロングセラーです。

しっとりベースで泡立ちも良く、キトサンやラクトンによる自然なコーティング性に重きを置いています。

 

髪の補修と言うよりは、髪にダメージを与えない優しい洗浄性と言う方が近いかもしれません。

何より価格設定が素晴らしいので、コスパに関しては相当なものだと思います。

補修性が高いわけではないので、バージン毛&ローダメージな髪向け。

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サニープレイス
ザクロ精炭酸シャンプー

 

何かパッケージ変わりました?

こんなんじゃなかった気が。。中身は同じだと思いますが(違かったらごめんなさい)

・汗っかき
・スタイリング多用
・加齢臭
・とにかくスッキリ洗いたい

当てはまるならオススメです。

 

石けん系ベース+アミノ酸系と頭皮に優しくガッツリ洗えるので、もうゴリゴリにメンズ向けな一品ですな。

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タカラベルモント
ルベル ジオ・アイスミントシャンプー

ちょっと被りますが、こちらもメンズ向け。

タカラは美容師業界では知らぬ者はいないであろう老舗であり、何を作らせても高水準でまとまっています。

アイスミントはシンプルに「超寒冷」なシャンプーで、もう冷えっ冷えになります。

 

最近の日本は夏が長いですからね、このシャンプーを冷蔵庫で冷やして使うと一瞬でアイスな感触を楽しめますよ。

最近リニューアルしたんですが、より冷え冷えになっている模様。

冷え冷えが嫌な方は、オーソドックスなタイプもありますよ。

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ラスティーク
ディープセラムシャンプー

コラーゲンPPTをベースに、植物オイルやセラミドを添加した贅沢なシャンプー。

本当に贅沢な原料の数々で、相当に原価は高いであろう感じがします。

それに伴う補修性・保湿性が持ち味で、とにかく滑らかな仕上がりになります。

 

決定的な弱点が「めちゃ泡立ちが悪い」という点。

確実に他のシャンプーで洗ってからの使用がマストになりますので、かなり人は選ぶと思います。

補修系シャンプーにありがちなベタつきや重さは、あまり感じませんでした。

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ハホニコ
ケラテックスファイバーシャンプー

こちらも業界では有名なメーカー。

羊毛由来のケラチンPPTをベースに石けん系を添加し、ある程度の洗浄性も担保した処方です。

とにかく毛髪内部の補修に特化しており、保湿性や弾性の強化としては一級品だと思います。

 

ダメージ補修特化型なのでブリーチなどのハイダメージ毛には最適ですが、それ以下の人が使うとゴワつきが出る可能性があります。

「人は選ぶけど、刺さる人にはとことん刺さる」のがこのメーカーの真骨頂です。

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ハホニコ
ディスデモカ ヘアクレンジング

これもパッケージ変わりましたね、以前は緑色のポンプだったと思います。

同じくハホニコのシャンプーですが、個人的にはコッチの方が好み。

シルク系PPTをベースに濃厚で贅沢な泡質が持ち味で、非常にリッチな使い心地。

 

細毛のダメージ毛なら、コレだけでも十分にヘアケアとして効果的なんじゃないかと思います。

グレープフルーツ果皮油(光毒性)の懸念はありますので、気にする人は控えてください。

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アジュバン
Re:プラチナムシャンプー

「葉っぱが入ってるヤツ」で有名(?)なシャンプー。

何種類かあるのですが、コレしか使ったことないんです。

ベタインベースに石けん系を添加しているものの、とにかく泡立ちが悪いです。

 

そもそも一回シャンプーしてから使う想定の処方になっているようで、汗っかきやスタイリングする方では衝撃なくらい泡立たないと思います。

その代わり、洗い上がりは凄くしっとり。

正直かなり人は選びますが、細毛+乾燥肌の人であれば使い心地は良いと思います。

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ベルローネ
シームレス ホワイトシャンプー

ベルローネは、主に縮毛矯正剤を作るメーカーです。

低刺激でそれなりの洗浄性・起泡性を持つラウリルグルコシドがベースというちょっと珍しい処方。

乳糖とスクワランにこだわりがあるようで、独特の保湿性と滑らかさがクセになります。

 

シャンプーも良いんですけどトリートメントが秀逸で、とぅるんとぅるんな仕上がりになります。

ぜひセットで使ってください。

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ケアネス
シャンプー

コラーゲンPPT×アミノ酸、洗浄性の補助にグリシンKを添加したバランスの良い一品。

キューティクルケアに役立つイオンコンプレックスの配合量が多く、ツルツルな質感で人を選ばずに使えるシャンプーだと思います。

何より、安いです。

パブリック商品と比べれば価格は高いですが、我々から見るとかなり安いです。

 

ちょっと背伸びすれば変える価格だと思いますので、PPT系シャンプーの入門にどうぞ。

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【まとめ】

というわけで、何の得にもならないのに勝手に他社商品を紹介してみました。

本気で書くと終わらない話なので、パッと思いつく限りで。

基本的には通販で買えるみたいです、良い時代ですな。

 

「いや、市販品で良いやつ教えてよ」とよく言われますが、個人的にはその質問が一番不毛だと思っています。

SNS見ろ

 

 

市場に流れるパブリック商品が劣っているとは言いませんが、1ランク上のヘアケアを目指すならばこういった選択肢が必要になります。

「使い続けられる価格じゃないと意味が無い」

とかよく聞きますけどね、言うてもそんなバカげた金額にはなりませんて。

せいぜい1回分で数十円程度じゃないでしょうか。

 

ネガティブに捉えれば自分に対する言い訳は無限に湧いてくることでしょう。

しかし本当に綺麗な髪質を維持している人は、相当に時間とコストをかけているのも、また事実。

 

シャンプーってお手軽なヘアケアですよ。

運動も勉強も、セルフケアも同じ。

まずは出来そうなことから始めてみましょう。

 

 

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