『肌質』について考える

乾燥肌、敏感肌、脂性肌、混合肌、などなど。

よくある肌質診断などではこのような分類に分けられることが多く、誰でも一度は目にしたことがあるものでしょう。

しかし、このような分類は明確に定義されたものではないことを知らない方も多いのではないでしょうか?

 

こういった分類は化粧品メーカーによる主観的or感覚的に作られた指標です。

明確な定義が無い以上、やや正確性に欠けるものだと言えますし、メーカー間による誤差もありそうです。

 

つまり、あくまで『イメージ』であるという域は出ておらず『肌質診断』も目安の一つとして捉える方が正しいと思います。

己の肌質を知ることは、スキンケアの最初の一歩。

今回は肌質の分類と適切なスキンケアについて、考えてみましょう。

 

 

 

 

 

【そもそも肌質って?】

一般的に考えられる、肌質の見分け方はこんな感じでしょう。

【肌分類】

 

これらは一見して分かりやすい反面、明確に判定できない曖昧さもあり、客観的な基準としは少々心許ない部分もあります。。

髪質も同様ですが、自身で思うタイプと他者から見たタイプが異なることも多いですし、あくまで目安と考えるのが妥当でしょう。

また、メーカーやBAさんの主観によって判定が変わる可能性も留意しておきます。

 

ちなみに、世界基準の肌質分類はこんな感じ。

【スキンフォトタイプ】

これは『スキンフォトタイプ』という考え方で、正確には『フィッツパトリック分類』と呼ばれます。

 

主に人種や遺伝的なアプローチによる分類と、紫外線に対する反応で分ける考え方ですね。

先述したような日本式はあくまで日本独自の考え方であり、世界基準の肌の研究では基本的にこちらのスキンフォトタイプが使われることが多いようです。

 

 

 

 

 

 

【こんな考え方】

あくまで個人的な意見ではありますが、私が肌質を分類するのならこんな感じ。

 

上記した肌分類と似てはいますが、特に肌悩みが無い方は『普通肌』としておきます。

その上で、ざっくりと乾燥肌と脂性肌に分けてみましょう。

 

明確な定義が無い以上『混合肌』や『ゆらぎ肌』という概念はあまり気にしないで良いかなと。

でないと、どういったケアを目指すかが分かりにくく、結果としてスキンケアジプシーになる原因になると思います。

 

肌がカサつけば乾燥肌、テカりやすければ脂性肌というのは感覚的に理解できるものでしょう。

そもそも季節や環境で肌質は変わるものです。

肌分類の意義は置いといて、あまり深く考えすぎずに柔軟な視点が必要かなと思います。

 

ただし、アトピー性皮膚炎や酒さ肌などは別の考え方が必要です。

これは肌の疾患に近いものなので、化粧品ではなく医薬品、ひいては皮膚科医の見解が必要になると思われます。

 

皮膚科医もピンキリなので「絶対にオススメ」とまでは言いませんが、化粧品は効果と共にリスクが常に付きまといます。

弱った肌には有効性よりも安全性を優先させるべきで、いわゆる「攻める」スキンケアが必ずしも効果的なわけではありません。

 

 

 

 

 

 

【対処法】

まずは乾燥肌について。

最初に、健康な肌はpH4.5~6くらいの弱酸性です。

言い換えれば「弱酸性のpHに保つことが健康的な肌環境の条件」と言っても良いでしょう。

 

で、皮脂には肌のpHを酸性に保つ働きがあります。
(正確には皮膚内の常在菌が皮脂の脂肪酸を分解し、酸性を保つ)

皮脂が多ければ多いほど弱酸性を維持しやすく、少なければ少ないほどにアルカリに傾きやすいということにもなります。

そしてアルカリ領域になるほど黄色ブドウ球菌の活動が活発になり、肌トラブルの原因にもなり得ます。

 

加齢が原因でも同様の症状があり、歳を重ねるほどに肌のpHはアルカリに傾きやすい(=乾燥しやすい)傾向があります。

これらに対し、酸性のスキンケアを継続して使うことで、肌の水分量やバリア機能の改善が認められた実験結果もあります。

つまり「乾燥肌には水分・油分の補給だけでなく、弱酸性のスキンケアも有効である」と言えるわけです。

 

 

脂性肌に関しては、海外の文献になりますが『遺伝』『肥満度』『食事内容』の影響が大きいという研究があります。

摂取した栄養は肌に影響を与えますし、脂質が多いと皮脂が脂性肌に傾くのも想像に難くないでしょう。

逆に言えば、脂質を減らすなどの食生活の見直しが、肌質の改善に繋がるという見方もできます。

重複しますが肌のpHが酸性に傾くほど脂性肌に、アルカリに傾く程乾燥肌になるとも言われています。

 

また近年はビタミンCやアゼライン酸、ナイアシンアミドなど、皮脂抑制を目的に処方された化粧品も多く見受けられます。

そういったアイテムも取り入れて、過剰な皮脂分泌を減らすのも選択肢として有効だと思います。

 

 

 

 

 

 

【肌質に合わせた考え方】

ここまでをまとめると、

①そもそも、あまり肌質にこだわり過ぎない前提で

②大まかに乾燥肌と脂性肌に分けて考える

③水分量が多く、程よい皮脂量が理想的な肌質

④乾燥肌は水分+油分+弱酸性

⑤脂性肌は食生活見直し+皮脂抑制成分

といったところでしょうか。

 

もう少し具体的に言うと、一般的に流通する成分で取り入れるべきは
■乾燥肌
(水分量、皮脂量共に少ない)
・セラミド
・バクチオール
・ワセリン
・スクワラン

■脂性肌
(水分量、皮脂量共に多い)
・トラネキサム酸
・アゼライン酸
・ライスパワーNo.6
・ナイアシンアミド
・ビタミンC
・グリチルリチン酸ジカリウム

という感じ。

 

乾燥肌は乾燥だけでなく、刺激に敏感になったり痒みが出たり、赤みが出たりします。

これに対し必要なものは『保湿=バリア機能の改善』であり、これらの改善方法は基本的に共通しています。

 

肌の乾燥が続くと角質内部の水分が維持できなくなり、バリア機能が低下します。

バリア機能が低下すると本来は守られている神経部分が剥き出しに近い状態になり、刺激に対し敏感になることで痒みや炎症が発生します。

いわゆる敏感肌や軽度のアトピーなども同様に考えて良いと思います。

 

なので、必要なのはとにかく保湿、そして保湿によるバリア機能の改善です。

特に有効なのは肌を守る役割を担うセラミドの補給、そしてコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促すバクチオール。

その上で、大きく保湿に役立つスクワランやワセリンを併用すれば、保湿しながらバリア機能の改善が可能になります。

 

まずはセラミドを含む化粧水や乳液でしっかりとバリア機能を改善し、その上でスクワランを含むクリームやワセリンで蓋をするイメージでしょうか。

ちなみに、植物油脂は敏感肌や乾燥肌に対しては刺激やアレルギーの懸念があるため、個人的にはオススメしません。

肌を覆う油膜を作る際は、鉱物オイルの方が安全だとハッキリ言っておきます。

 

脂性肌に関しては、一般的にニキビや吹き出物、毛穴の開きや黒ずみが悩みの種となるでしょう。

これはもうシンプルで「いかに皮脂分泌を抑制するか」によります。

 

皮脂を抑制する成分として有名なのはアゼライン酸、ライスパワーNo.6、ビタミンCなど。

過剰な皮脂による肌へのダメージを抑える意味で、抗炎症作用を持つトラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムも有効だと思います。

 

また、汗をかきやすいと皮脂に含まれる成分(塩や尿素)により肌荒れが起きやすくなります。

こまめに汗を拭きとったり、体温を下げるような工夫も必要だと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

まとめ

ついでにですが、今主流のスキンケアは種類が多すぎるように思います。

詳細は別記事で話しますが、手軽に色々な種類のアイテムが買えるようになった現代では、少なからずオーバーケアの傾向が目立つようになってきています。

 

本来のスキンケアは『足し算』ではなく『引き算』が正解です。

肌本来の力を取り戻し、健康になれば化粧品の数を減らすのは当たり前のことです。

 

しかし、それではメーカーも利益が出せないので「乾燥肌には○○が必要」「脂性肌には○○を使うべき」「アンチエイジングには○○が必須」と脅し文句を並べ、マーケティングに励んでおります。

 

化粧品は数を増やせば相乗的に効果が比例するわけではありませんし、場合によってはデメリットも発生します。

スキンケアはなるべくシンプルに、良いものを。

今一度、自身のスキンケアを見直してみましょう。

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